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方丈 貴恵『少女には向かない完全犯罪』

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少女には向かない完全犯罪作者:方丈 貴恵講談社Amazon突然何者かに屋上から突き落とされて串刺しになった「完全犯罪請負人」と両親を殺された少女が、自分を殺した犯人を突き止め両親を殺した犯人に復讐するべく相棒となる物語です。串刺しになった黒羽は「…

下村 敦史『全員犯人、だけど被害者、しかも探偵』

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全員犯人、だけど被害者、しかも探偵作者:下村 敦史幻冬舎Amazon電動自転車の不備を隠ぺいしたせいで死者が出て、世間は販売会社と社長個人を激しくバッシングするなか社長が死んだ。 その後、7人の関係者が手紙によって集められ、廃墟に連れていかれる…

白井 智之『ぼくは化け物きみは怪物』

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ぼくは化け物きみは怪物作者:白井 智之光文社Amazonはーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー好き!!!!!!!!!!!5つの物語が並ぶんですが、どれも確かに「ぼくは化け物きみは怪物」というタイトルに頷ける物語で、最後の1篇を読み終えたあと残…

阿津川 辰海『バーニング・ダンサー』

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バーニング・ダンサー作者:阿津川 辰海KADOKAWAAmazon二年前、某国に謎の隕石が落下し、その後全世界に突如百人の異能力者が現れるようになった。それぞれ百の言葉にちなんだ能力を発揮する能力者たちは「コトダマ遣い」と呼ばれる。という設定の元、コトダ…

新庄 耕『地面師たち ファイナル・ベッツ』

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地面師たち ファイナル・ベッツ作者:新庄 耕集英社Amazonちょっと前になりますが「地面師たち」というドラマの話をよく耳にし興味を抱いてはいたんですが、綾野剛に金を出すつもりはないので見ることはなく、でも気にはなるので「そうだ!原作を読もう!」っ…

中山 七里『鬼の哭く里』

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鬼の哭く里作者:中山 七里光文社Amazon誉田さんの「首木の民」のリベンジ!ってんで帯に「寒村で起きた惨殺事件」とあるこの作品を取りました。これならば!間違いなく!確実に!村で大量殺人が起きる!!!と思ったのに、確かに何人か死んだけど私が欲して…

葉真中 顕『鼓動』

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鼓動作者:葉真中顕光文社Amazonホームレスの老女が殺されたあと焼かれる事件が発生し、犯人として逮捕された男は引きこもりで、自宅に父親の死体があると言う。という始まりで、事件の捜査をする女性刑事と、犯人の視点で描かれる物語は現代の孤独と絶望と痛…

誉田 哲也『首木の民』

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首木の民作者:誉田 哲也双葉社Amazon書店でタイトルだけを見た瞬間「首木村」で凄惨な連続事件が起きるんだな!と前のめりで食いついたんですが(私はそういう話が大の好物です)、その下の帯文に「著者が最強の「悪」に挑んだ警察小説×社会派小説のド肝作!…

月村 了衛『対決』

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対決作者:月村 了衛光文社Amazon現実の事件を下敷きにした作品群に連なる物語で、今作のモチーフは東京医大で長年女子受験者に対して一律減点が行われていた事件。 問題の学校で理事長を務める女性と、この非道な事実を世間に公表すべく取材する新聞記者の女…

呉 勝浩『法廷占拠 爆弾2』

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法廷占拠 爆弾2作者:呉勝浩講談社Amazonスズキタゴサクが裁かれる法廷がスズキ事件の被害者遺族によって占拠される。 交渉人のサポートをする類家、証人として法廷にいて立てこもり犯の交渉材料にされる倖田、犯人の自宅に設置された爆弾を調べる猿橋と、前…

恩田 陸『spring』

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spring (単行本 --)作者:恩田 陸筑摩書房Amazon「蜜蜂と遠雷」が『ピアノ』を描いた小説ならば、これは『バレエ』を描いた小説ということになるのだろう。 人間を通してピアノでありバレエそのもの描く恩田陸の熱量と技巧に圧倒される読書時間だった。…

中山 七里『ヒポクラテスの悲嘆』

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ヒポクラテスの悲嘆作者:中山七里祥伝社Amazonヒポクラテスシリーズ。 例によって法医学でもって死因=謎を解明するのは光崎教授なんだけど、今作の主人公は完全に古手川刑事。各章タイトルは「7040」「8050」「8070」「9060」「6030」という数字の連なりで…

阿泉 来堂『逆行探偵 烏丸壮吾の憂鬱な使命』

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逆行探偵 烏間壮吾の憂鬱な使命作者:阿泉 来堂産業編集センターAmazon第40回横溝正史ミステリ&ホラー大賞読者賞を受賞した作家さんで、私は多分初めましてになりますが、ちょっと待って?横溝賞っていつからホラー大賞がくっついたの!? ・・・と慌てて確…

歌野 晶午『それは令和のことでした、』

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それは令和のことでした、 (単行本文芸フィクション)作者:歌野 晶午祥伝社Amazon 人物や事象について“思い込んでいる(思い込まされている)”ことを最後にひっくり返す作品集で、1作1作は歌野さん比としては小粒だし、こちらも「そうくる」「どうくる?」と…

柚月 裕子『風に立つ』

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風に立つ (単行本)作者:柚月 裕子中央公論新社Amazon南部鉄器の工房を営む父親が突然「補導委託」として問題行動を起こし家庭裁判所に送られた少年を一時的に預かると言い出したところから物語は始まります。職人である父親から愛情を受けずに育ち今は父と共…

穂波 了『忍鳥摩季の紳士的な推理』

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忍鳥摩季の紳士的な推理作者:穂波 了双葉社Amazon「アガサ・クリスティー賞作家渾身の特殊設定ミステリー」という帯文に惹かれて手にとりました。初めての作家さんです。法整備はできていないものの警察に「超常現象の専門部署」があって、4話構成の1話めは…

中山 七里『彷徨う者たち』

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彷徨う者たち作者:中山 七里NHK出版Amazon「護られなかった者たちへ」「境界線」に続くこの作品は『宮城県警シリーズ』と名付けられているそうで(初めて知った)、このシリーズは今作で完結とのこと。前2作の主人公は震災で妻を喪った刑事・笘篠で、笘篠の…

誉田 哲也『オムニバス』

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オムニバス作者:誉田 哲也光文社Amazon姫川班のメンバーそれぞれが章ごとの視点を担い、それぞれから見た姫川を描きつつそのメンバーを掘り下げる姫川玲子シリーズです。「ノーマンズランド」からこの作品を飛ばして次の「マリスアングル」を読んでしまい、…

岡崎 隼人『だから殺し屋は小説を書けない。』

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だから殺し屋は小説を書けない。作者:岡崎 隼人講談社Amazon タイトルに目を引かれ、奥付を確認したらメフィスト賞を受賞し今作が二作目とあり、そういやお名前に記憶があるような・・・と自分の感想を探してみたら感想が残ってたんでやっぱり読んでたことが…

中山 七里『こちら空港警察』

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こちら空港警察作者:中山 七里KADOKAWAAmazonタイトル通り、成田空港を管轄する空港警察に新署長が赴任するところから物語が始まるんですが、チケットカウンターで勤務するGSと入国管理官、そして管制官がそれぞれ語り部となり新署長自ら事件現場に率先して…

伊坂 幸太郎『777』

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777 トリプルセブン作者:伊坂 幸太郎KADOKAWAAmazon殺し屋シリーズ。超高級ホテルを舞台に超絶記憶力を持つ女を巡り「業者」がごちゃごちゃする物語なんですが、面白かった。なんも考えずに業界の人たちの仕事と仕事のぶつかり合いをただ楽しめばいいだけの…

櫛木 理宇『監禁依存症』

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監禁依存症 (幻冬舎文庫 く 18-7)作者:櫛木 理宇幻冬舎Amazonまずプロローグがあって、本編は同年の11月と4月の日付を明記し二つの時間軸で描かれるんですよね。11月のほうは誘拐事件の捜査にあたる浦杉の元部下・高比良の視点で、4月のほうは浦杉の娘視点。…

五十嵐 貴久『サイレントクライシス』

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サイレントクライシス作者:五十嵐 貴久PHP研究所Amazon以下内容に触れてます↓↓↓ コロナというパンデミックとその影響、某国の拉致問題、かつての侵略戦争以降今もつづく隣国との確執それらを題材とする小説は数多ありますが、それ全部一緒にしてエンタメ小説…

貫井 徳郎『龍の墓』

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龍の墓作者:貫井 徳郎双葉社Amazonゴーグルと呼ばれるVRツールが日常化した近未来という舞台設定で、町田でドラム缶に入れられ焼かれた死体が発見されるところから物語が始まります。その後別の場所で不可思議な装飾を施された死体が発見され二つの事件は世…

誉田 哲也『マリスアングル』

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マリスアングル作者:誉田哲也光文社Amazon一応シリーズを追ってるつもりでしたが、私の中での前作は「ノーマンズランド」です。つまり「オムニバス」を読んでなかった。ということを前作のタイトルってなんだっけ?と調べて気づいた次第です。 でも調べるま…

米澤 穂信『可燃物』

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可燃物作者:米澤 穂信文藝春秋Amazon群馬県警捜査一課で葛班を率いる葛警部がバッサバッサと事件を解決する短編集です。バッサバッサと、とは書いたものの、捜査の過程は至って地味です。とにかく地道にコツコツと葛と部下たちは足を使って捜査を続け、「確…

古川 日出男『紫式部本人による現代語訳「紫式部日記」』

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紫式部本人による現代語訳「紫式部日記」作者:古川 日出男新潮社Amazon「平家物語」の現代語訳という超絶すばらしい作品を現代に残してくださった古川さんによる「紫式部日記」です。 私はその「紫式部日記」を読んだことがないので、この作品がどれぐらい、…

雫井 脩介『互換性の王子』

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互換性の王子作者:雫井 脩介文藝春秋Amazon 順風満帆な御曹司の前に突如現れ、入れ替わろうとした異母兄。 「奪われたものは、奪い返さなければ」という書かれた帯がついてるもんでサスペンスだろうと思ったし、読み始めてすぐ主人公(弟)が別荘の地下室に…

阿津川 辰海『黄土館の殺人』

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黄土館の殺人 (講談社タイガ)作者:阿津川 辰海講談社Amazonクローズド・サークルとなった館を舞台とする紅蓮館、蒼海館に続くシリーズ作品であることは理解してましたが、このシリーズが「館四重奏」と名付けられていて、「地水火風」の四元素になぞらえて形…

黒川 博行『悪逆』

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悪逆作者:黒川 博行朝日新聞出版Amazon 詐欺や新興宗教で私腹を肥やす悪人たちから財産を奪い殺す連続強盗殺人事件を追う刑事たちを描く警察小説で、そこまではいつもの黒川作品なんだけど、今作の特徴はメインの刑事コンビが即席コンビ(捜査一課の刑事と所…