青崎 有吾『地雷グリコ』

「グリコ」「神経衰弱」「じゃんけん」「だるまさんがころんだ」そして「ポーカー」と、誰もが知ってる「遊び」をアレンジし、高度な「ゲーム」にした5編の連作集です。

この「よくこんなゲームを思いつくな」という感想を以前も抱いた記憶があるんだけど、それも青崎さんの作品だったのかな?
「ポーカー」以外は所謂“子供の遊び”なので至って簡単なルールなんだけど、簡単だからこそ「アレンジ」するのは難しいと思うんですよ。
そこでまずこのクオリティで5つのゲームをそろえるところがすごいでしょ。そしてそれを「小説」にするところがさらにすごい。
これだけロジカルロジカル、さらにロジカルな作品集なのに、そこで描かれる「物語」は三人の女子高生の残酷で不器用な友情ただそれだけ。それがすごい。

登場人物全員キャラ立ちしてるしこれは確実に実写かアニメか、とにかく映像化されるだろうけど、小説としては「地雷グリコ」と「自由律じゃんけん」が「アレンジ力(りょく)」とゲームプレイヤー・射守矢真兎が「勝つまでのロジック」ともに解りやすいという点で楽しめたけど、映像化したときに最も面白そうなのは「だるまさんがかぞえた」かな。結構間抜けな画になりそうw。