古川 日出男『紫式部本人による現代語訳「紫式部日記」』

平家物語」の現代語訳という超絶すばらしい作品を現代に残してくださった古川さんによる「紫式部日記」です。
私はその「紫式部日記」を読んだことがないので、この作品がどれぐらい、どんな感じの「現代語訳」となっているのかを判断することはできませんが、現代語に訳すにあたりタイトルにあるように「紫式部本人による現代語訳」として書いた日記であり歌を訳しつつ、あいまに現代視点で紫式部本人による解説が挟まるという、このスタイルが軽妙で愉しい。「グルーミィ」って私も使いたい。

そして大河合わせの企画であるのか否かはわかりませんが、「音」にこだわる古川さんの手にかかるともうね、完全に吉高さんのまひろの声で聞こえてくる。
清少納言(と弟の恋人)の悪口が書かれてるんだけど、そのなかで「あたしは常人(ひと)とはぜんぜんちがいますから。感受性が。あたしは」と自己アピールする清少納言は低俗だ(要約)と言っていて、これ大河の桔梗めっちゃ心のなかで思ってそうwwと笑ってしまった。

ドラマでは描かれない「日常」と、この先ドラマで描かれるであろう出来事の「画面には映らないであろう非日常」もわかるので(雰囲気は感じとれる)、大河視聴者の方にはとくにおすすめです。