小川 哲『君のクイズ』

なにやら話題の作品のようですが、それについては知らず帯に書かれた伊坂孝太郎さんの「面白すぎ!!こんなに興奮する謎に出会ったのは久しぶりでミステリーとしても最高。小川哲さん、ほんとすごいな。」という推薦文に惹かれて手に取りました。

うん、伊坂さん好きそうだな。
読み終わった瞬間そう思った。
もちろん私は作品を通してしか伊坂さんを知らないし、そもそもなにひとつ知らないのかもしれないけど、『クイズ大会の決勝戦で対戦相手はなぜ問題を一言も聞かない「ゼロ文字正答」ができたのか』という、言葉選ばずに言うけど「どうでもいい謎」に「こんなに興奮する」という伊坂さんは私のなかの伊坂さんと一致する。

繰り返しますがクイズに興味がない私からすればマジで「どうでもいい」としか言いようがないんだけど、その「謎」に向き合うはずがいつのまにか哲学みたいになってて、え?なんかクイズ=人生みたいな話になってんだけど??とその熱量に引き気味になりつつ思ってたら「ずばり、クイズとは何でしょう」に「クイズとは人生である」と回答するというラストで、まんまと乗せられた?嵌められた?みたいな読後感でした。