『下剋上球児』第7話

教員免許偽装の無免許教師問題をこれだけ引っ張った挙句、校長と犬塚のおじいに頭下げただけで監督に正式復帰できて、元無免許教師が監督やってるチーム(学校)に新入部員が大勢入るわ後援会が発足するわ女子にワーキャー言われてるわで頭の切り替えがおいつかない。
「部外者は黙ってろよ」という犬塚に「あんたも部外者だろう」と言ってのけた生瀬さん横田先生の「見せ場」はさすがの説得力だったけど(最近生瀬さん渋イケオジ路線が続くなあ)前回までの時間はなんだったのかと。

ていうか、うん、教員免許偽装は全然別の話だとして生徒との淫行だの妻の元夫だのおじいの目の手術だのという“大人の問題”とかいらないから部員たちのあれこれを見せてくれよとは思ってたんですけどね、いざ「野球部」の話になるとあれだね、特にこれという感想がでてこないね。だってわたし野球に興味ないからね。

職場で材料を間違えて怒られたり、以前も盛大に行き先(乗る電車)間違えたりしてたし、もしかしてこれなんかの病名がついちゃう感じなのか?と思ったらまさかの「視力が悪い」(コンタクトは怖いし「眼鏡君」って呼ばれるから眼鏡もかけたくない)せいであることが判明した楡くんを筆頭に部員たちにはそれなりに愛着湧いてるんだけど、楡くんを説得しにいくのみならずおにぎり作りも手伝うツンデレ野原も可愛いし(さすが元「我が魔王」である)、就職活動中に取れる資格は片っ端から取ったという南雲に椿谷だったか「偽装じゃないですよね?」と聞いてんのにはクソ笑ったんだけどw、『フィジカルトレーニングと食事、そして数多くの練習試合をこなしました』ってのをダイジェストで見せられいよいよ下剋上しまっせ!と言われても、それぐらいどこの学校でもやってるんじゃないの?としか思わんしな。

そうなると、やっぱり三十何社とかって言ってましたっけ?それだけの数の会社から「無免許教師」であることを理由に断られ続けた末に採用してくれた職場が歓迎会をしてくれるというのに「用事あるんで」とその誘いを断る南雲や、勝てる試合を負けたのは自分のせいだと選手そっちのけで落ち込み引きこもる山住や、「おじいを甲子園に連れてって♪」と南ちゃんぶるおじいのほうが(ネタとして)面白いってことになっちゃうんだよな。

で、椿谷くんの「日本一の下剋上を目指します」宣言とともにその日まで「あと6日」というテロップが出たところで残り3話もあるらしいんだけど、3話みっちり野球の試合をやるんだろうか。
県大会で優勝して甲子園に行くのは確定してるんだろうけど、「6日」ってことは甲子園でも快進撃を見せるってことにはならない(初戦敗退)だろうし、てことはクライマックスはやっぱり県大会決勝戦になるよな。
そしてその相手は当然マツケン監督率いる星葉高校になるんだろうし、そこには翔の元チームメイトがいるわけで、星葉高校とはそれなりの「ドラマ」を作れるだろうけど、決勝まであと何試合あるのか知らんけどそれまでどうやって話を作るつもりなのだろうか。

野球部の話になると感想ねーわと前述したけど、翔と根室のエース争いはもっと掘り下げてもいいと思うし、円陣のまんなかで仲間たちを鼓舞する椿谷くんめちゃめちゃカッコよかったけど、将棋脳を活かした「司令官」としての能力は描かれていたけど“こういうこと”が出来るようなタイプには見えなかったわけで、そんな椿谷くんがどうしてここまで言えるようになったのか「椿谷キャプテン」の成長も見せてほしかったし(仲間を背負って坂道を登るトレーニングでへたばりまくってたのが余裕で登れるようになってたけど、フィジカルの成長じゃなくてキャプテンとしてのメンタルの成長の話ね)、『野球部』の描写が足りなすぎる。
野球が出来る役者を集めたってな話だからガチで「野球」をやる(それを見せる)のはいいとして、大事なのはその野球をやる「キャラクター」だと思うんだけどね。

ああ、でも椿谷の下剋上宣言の前に無免許教師の話をマスコミに突っ込まれてたし、そろそろザン高にかつて南雲が経験したのと同じ“悪意”が向けられるようになるのかな。
だとしてもここまでの作りからしてそこまで酷い描写にはならなさそうだし、かつての南雲は自身も負い目を感じていたのに対しザン高の部員たちは責められる謂れは一切ないわけで、南雲のトラウマもひっくるめて蹴散らしてくれそうな気はする。