『新宿野戦病院』最終話

1話単体では勢い!勢い!さらに勢い!!に圧される感じで毎回楽しめはするものの、作品としてなにを描いているのか軸足の置き場が見つからなくてフラフラしながら最終回まで見続けてきたという感じでしたが、要はラスト2話が全てだったんだなと、そこまでの各回は両手に手錠をはめられ連行されるヨウコを見送るシーンのためにあったんだなと(松葉杖使ってたけどダルメシアン3世さんが元気そうでよかった!)、そう理解ができたのでようやく両足を地面につけることができた感。

ヨウコの医師免許問題がうやむやのまま日々が過ぎていくことが引っかかってたんだけど(だからそこまでノレなかったんだと思う)、あえて最終回まで引っ張る作劇の意図を理解できたんで、最終回を見終えての感想は「面白かった」というより「スッキリした」。

ヨウコが当初無免許(アメリカの医師免許しかもってなかった)だったことを暴露したのが『俺たちのマドンナ』だったってのはこの作品で最も「クドカンらしさ」を感じる展開で、その動機を「嫉妬」「承認欲求」でしたとしたことで最後の最後で舞に人間味が備わったと思う。

ヨウコにはボサボサ髪で膝をついて謝罪してたけど岡本や享がそれを知ったかどうかはわからない・・・ってのは優しさかなー。
わたしは言わずにちゃっかりまごころでカウンセラーやってますってことだと思ってる。舞はそういう女であってほしい。

コロナのときにホテルを借り上げ隔離施設にした現実を歌舞伎町のラブホに置き換えたコメディ描写は、それを申し出た風俗王(舞の父親)が松尾スズキだったこととあわせて笑ったわw。
スケベいすからのエマニエル夫人みたいなヨウコとか、こういう演出を思いつくひとってすごいと思うw。

一方でサザンが登場したEDは「いちばんすきな花」でグランドピアノで弾き語り歌唱する藤井風を見てしまったあとではダサいの一言ですが、キャストが楽しかったならばまあいいや。