『リバース』最終話

蕎麦はちみつ入りコーヒー飲んだのかよ!!!!!。
酷いアレルギー持ちのひとは匂いで分かるとか聞くから、玄関で手渡されたコーヒーを「いい匂いだ」ってわざわざ言わせた(匂いを嗅がせた)のはこの時点で蕎麦エキスが入ってると広沢は気づき、でも深瀬の気持ちは嬉しいよってんで「ありがとう深瀬(コーヒーを淹れてくれた気持ちだけで充分だよ)」ってなことになるんだと思い込んでたんで、普通にごくごく飲んでてビックリしたわ。
小笠原は窃盗団が広沢を見捨てなければ助かったかもしれないとフォローしてたけど、窃盗団って広沢の様子がおかしかったって話したんだっけ?。それとも車を奪おうとしてるところに持ち主(広沢)が来たけど放置して逃げたってな話をしただけ?。いずれにしても広沢は盗まれた車を追いかけ、その途中で崖から落ちて死にました(だから10キロも離れたところで見つかりました)ってな説明だったけど、それなんのフォローにもなってなくね?。広沢はたのしい旅行を台無しにしたくなかったんだろうとかなんとか都合のいい推察してたけど、車盗まれたのを自力でなんとかしようとしたとしても無理だってなったらさすがに谷原たち(もしくは警察)に連絡入れるでしょ。車盗まれたのをそのまんまにしておくわけにはいかないわけだから。救急車呼ばなかったことも含めそれが出来なかったのはやっぱりそれだけ体調に異変を来してたからと見るべきだろうし、もっと言ってしまえば意識朦朧状態だったから谷に落ちたのかもしれないわけで、結局コーヒー飲んだことが理由だよね。
わざわざ原作のその後という形で「最終話」を作るぐらいだから全く違う真相になるのかなとなまじ期待を抱かされただけに、なんだこれ感は否めない。車の窓越しに広沢の姿を捕えてたから、エンジンが掛かった反動で広沢を轢いちゃって、その血が雪上に残った血痕だったってなことかと思ったんだけど、(谷原と浅見が必死で隠した血痕は実は窃盗犯のものでしたー!ってのはあまりにも愚かな真実すぎて笑えたけど)窃盗団なんてものを絡めるのならばそれぐらい広沢の死の理由として直接関わらせてもよかったんじゃないかと思う。
まぁそれだったら時効もなにもないわけで、窃盗団が口を割るはずがないから真相は明らかにならないままだろうけど、結局コーヒーが理由になるんだったら窃盗団とか無駄な要素だったと思う。
4人が広沢の両親に隠していたことをちゃんと話し懺悔し、広沢の母親の激しい怒りと父親の虚無感を真正面からぶつけられたことには意味があったと思うし、「赦さなくていいんです」「赦されないことを抱えて生きていく」という小笠原の言葉こそがドラマ版「リバース」のテーマだと思うので、片平なぎさ志賀廣太郎の演技含め愛媛パートは良かったけど、罪を背負って生きていくにしても谷原はパワハラが会社の知るところとなり村井は離婚を機に父親の敷いたレールから外れる意志を示し浅見は生徒と和解、そして深瀬は再就職が決まり美穂ちゃんとくっつきましたとか円満エンドが過ぎるというか、広沢の両親が10年も経って抱えることになった新たな苦しみに対して気持ちのバランスが取れない気がする(と同時に 谷原→酒飲ませた 浅見→運転を押しつけた 村井→迎えに来いって言った 深瀬→蕎麦入りコーヒー飲ませたって、親からみた罪の重さとしては深瀬>>>>>浅見>谷原>>>村井ってなところだと思うんだけど、一番罪が軽いはずの村井が現状一番厳しい状態にあるってのはなかなかに湊かなえらしい気もする)(湊かなえらしいと言えばラストの深瀬の「もし過去に戻れるとしたらいつに戻るか」という独白も。ちょっと前の深瀬だったら迷わず広沢が死んだあの日に戻ると言えただろうけど、美穂ちゃんという彼女を手に入れた今、もしあの日に戻ってしまったら美穂ちゃんは広沢の恋人であるわけで、そういう含みを持たせるところは好みなんだよな)。
とまぁ前回まではともかく最終回は微妙すぎる出来でしたが、そして誰もいなくなったとかいうドラマに費やした無駄以外のなにものでもなかった時間を経て藤原竜也が連ドラで久々にその演技力を発揮できたこと、そしてこのメンツの中じゃ公開処刑になるんじゃと心配した玉森裕太が俳優としてなかなか見事な仕事をしてみせたこと、この二点はこのドラマの特筆すべき良かったところでした。
それから、窪田くんの成瀬くんは地元に戻ってレストランを開いたはずがなんで大阪のパン屋の常連なんだ?ってな話なんだけど、杉下が存命なのだとしてもそうでないとしても、誰かを笑顔で励ましてあげられる成瀬くんでいてくれてよかった。