『元彼の遺言状』第8話

篠田の事情に興味はないと、ここまでの感想でそう書き続けてきましたが、いざ「俺は無実だ」いわれると殺人犯じゃねーんかい!!!とガッカリしてしまった。天邪鬼でもうしわけない。

ていうか、篠田こと田中守が麗子に語った状況からして完全に「詰み」状態だからといって本当にやってないなら篠田の逮捕は冤罪じゃん?。それとわかって篠田を「逮捕」させるのはなんでなの?。
強盗容疑で指名手配されていた(いくつもの偽造身分証まで所持してた)犯人がいくら法曹界で知られた弁護士が身元保証人になったからといって保釈されるわけがないだろうという点についてはこの作品にそんなことを言っても無意味であるとして、いずれ証明するにしても「無実」の人間が顔写真付きで「犯人」として報道されてしまうこと、みすみす警察による「冤罪」を作らせること、それについて麗子はどう考えてんのよと聞きたい。

状況証拠がこれだけそろってるなかで自分と篠田だけで事件について調べる(真犯人を突き止める)ことはさすがに無理だから警察の捜査力を使うために篠田を警察に「売った」ってのが麗子の言い分で、捜査資料を預かることができたということは橘も麗子の目論見を聞かされたうえで「乗った」ということなのでしょうが、起訴前に真実を突き止めて不起訴にするつもりなのかと思いきや保釈の話が出るってことは起訴されたってことになるわけで、裁判で無実が証明されるにせよ警察が「無実の人間を逮捕した」事実は消えないわけで(公文書偽造の罪は犯してるけど・・・)、ドラマとはいえさすがにこれは無理筋でしょと言わざるを得ない。
保釈について突っ込むのは無意味とは書いたものの保釈された“犯人”が事件現場を訪れるなんてことはいくらなんでも許されないわけで「篠田行くわよ」じゃないっての。

麗子が篠田と三ツ星レストランで食事をし、デザートが来る前に警察がやってきて篠田が連行される(麗子が篠田を売った)というシチュエーションのための云わば「前フリ」でしかないとはいえ前半の西園寺製鉄でしたっけ?あの「社長の遺体が発見された事件」も、体調が悪化してるホームレスを休ませてあげようと「一日身分交換」を申し出たものの家に入ることはせず用意した飲食物だけ摂取して庭で死んでるのを発見し、身元が分かれば警察が娘を探してくれるだろうと考えるところまではわかるとしても、きれいな状態で娘に会わせてやりたいからと遺体を風呂に運んで身体を洗い髪を切ってやってるところに息子が帰宅したので遺体をそのままにして逃げたことと、自分が死んだと誤解した息子二人がどんな言動をするのか試したことが流れとしてひとまとめとして描かれてることが理解できないし。
ホームレスが死んだことは偶然、たまたまこのタイミングでのことだったのでしょうが、ホームレスのことを気遣ってるようで利用してんじゃん。息子よりも親父のほうが人間としてどうかと思うぜ?。