『元彼の遺言状』第4話

ミステリー作家(人気シリーズ持ちの売れっ子)が十数年ぶりの新作発表会見で「人を殺した」と告白することから始まり、作家自ら殺人を犯したのではなく発表前の新作を読んだ人間が作中の殺人を模倣して現実に人を殺してしまったからそれは自分の「罪」であると、そこまでは敬愛する作家が相手だってんで篠田の動きがいつもと違って能動的であることと、死にそうな顧問弁護士を雇ってる会社だからといういつもにもましての剣持麗子のゲス動機も含めてまあまあ面白いか?と思ったものの、まあこの人が「犯人」だろうなと誰でも目星がつくのはともかくとして謎解きのレベルがあまりにも低すぎてちょっとこれは見ていられないレベルですわ。
「語るに落ちる」のひどさもだし、本好きなら自分の新作は絶対に読むと思った→読まなかったどころか“人気シリーズ”だというのに探偵役の属性すら知らなかった という結末はお粗末すぎません?。

まあ現実に実行可能な犯行である必要があるとはいえDV男を殺す方法がなんの捻り(トリック)もないもので、シリーズの売りが謎解きではなく人間ドラマとかそっちにあるんだとしても(篠田の熱弁っぷりからしてそうではないとは思うけど)、前作(で受けた酷評)の反動もあるのだとしても、これじゃあ酷評もされるだろうし、自作自演での殺人でもしなけりゃ売れないかもしれないことは作家自身が一番わかるんだろうなという妙な説得力はあったけど。