越谷 オサム『四角い光の連なりが』

四角い光の連なりが

四角い光の連なりが

  • 作者:越谷 オサム
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

(刊行されたのは2019年ですが)2020年も越谷オサムは最高だぜ!!!!!


「列車」をテーマに、午前中に仕事をこなし父の葬儀のために帰省するサラリーマンや、恋するタイガースのガチオタや、引っ越しした路面電車に乗りに行きたいという祖母に付き合う女子高生や、作文の書き方に悩む恋する男子小学生や、中学生で落語に出会い四国から上京した帰国子女の落語家といった人たちの大切な思い出だったり想いだったりが連なる作品集なのですが、もーう!もうもうもうっ!!マジでオサムは最高だな!。
読んでる間は胸がぽかぽかしたり目の端がじわっとしたりして、そんで最後の「オチ」な!。初っ端のサラリーマンの話から涙だばーでしたわ。どの作品も物語のなかでさりげなく描かれた言葉だったり発言だったり説明だったりがラストの一行でパアッと花を咲かす。これがもうとにかくうまい。ていうか最高。最高としかいいようがない。
どれもなんてことない、毎日のなかにある「ちょっとした出来事」なんだけど、でもそういうものを思い出にして人は毎日を重ねていくんだよね。そしてそういう作品集にこういうタイトルをつけるとこ。だいすき。