
- 作者: 越谷オサム
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2012/04/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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で、これまたよく書いてる気がするんだけど、決して“イケメン”ではない主人公(たち)なのに、ものすごく格好いいの。今回は体育の時間にお漏らしした過去を持つ冴えないメガネに頭の回転はそこそこ速い皮肉屋の下膨れにチビで童顔で泣き虫のクラス内ヒエラルキーでは恐らく底辺であろう将棋部男子三人組。彼らが突然転校した将棋部唯一の女子部員に会うために修学旅行の自由行動時間を使って京都から大阪までちょっとした冒険をするってな話なんだけど、その内容はとにかく冴えないんだよね。ダメダメすぎるの。おまけに3人それぞれが隠し事をしてるんだけど、馬鹿すぎるとしか言えないわけですよ。読み進めながら何度「えええええ(笑)」と心の中でつっこんだか分からないぐらいなわけですよ。
だけど彼らはその瞬間瞬間いつも必死で、そんな彼らの目と心を通して見る景色はとても瑞々しい。放出されまくるあらゆる体液に美しさすら感じるのです。いやそれはちょっと盛りすぎだけど(笑)。
そして今作は彼らの“その後”が素晴らしい。というよりもメインとして描かれている彼らの修学旅行よりも、そんな経験を経た彼らの人生こそが本題と言っても過言じゃないぐらい。彼らのたった数日を読んだだけなのに、女子部員と顧問も含めた将棋部のその後が納得というか、想像できちゃう。この子ならそういう大人になりそうだよね!って。ちょっとほろ苦い結末ではあるんだけど、だがそこがまたイイ!。私は越谷オサムが大好きです!!。