岩木 一麻『時限感染 殺戮のマトリョーシカ』

時限感染 殺戮のマトリョーシカ (『このミス』大賞シリーズ)

時限感染 殺戮のマトリョーシカ (『このミス』大賞シリーズ)

初めての作家さんです。
人知れず、ひっそりと実行されるバイオテロ計画。世界中に広がる史上最悪のバイオテロは初めから防ぐことなどできなかった・・・というわけで、テロ計画の真相についてはタイトルからして予想がつくものの、その目的がわからず(動機として語っていることが本当の理由ではないだろうと)、さらに猟奇殺人を起こした理由もまたわからないので果たしてこれはちゃんと回収できるのだろうか・・・と期待半分不安半分で読み進めたところ、頭部を切断され腸を引きずりだされた死体が発見されるところから始まった物語がずいぶんなところに着地したもんで驚きました。作中では「あべこべ」という表現がなされてますが、目的に対する手段がいい意味でおかしすぎる。ピザまん食べようとしたのに食べたらあんまんだったみたいな後味でした(たとえ下手)。
おもいっきり個人的な話になりますが、テロを起こした犯人の名前が「相葉春樹」というものでして、わたしが長年応援し続けてる役者さんの名前と似てるんですよね。そう思ったらもうその人で読めてしまって(イメージ的にぜんぜん合うし!)、いつかこういう役を演じるのも見てみたいなーと思ったことを書き残しておきます。言霊言霊!。