東野 圭吾『危険なビーナス』

危険なビーナス

危険なビーナス

獣医師の主人公の元に疎遠になっていた異父弟と結婚したという女性から連絡が入る。楓と名乗った弟の妻はアメリカのシアトルから一緒に帰国した弟が失踪したと言い、その理由は資産家である弟の家族にあるのではないかと疑いを持っているので調べるべく協力を依頼される。魅力的な弟の妻と行動を共にする主人公はどんどんとその魅力に惹かれていく。
という昼ドラですか?と聞きたくなるような話なんですが(帯文に『失踪した弟の嫁に会った瞬間、俺は雷に撃たれた』とデカデカ書かれてるぐらいですから狙いとしてはそっち方面で間違いないだろう)、なんでそんなしょーもない話の感想をわざわざ書き残そうと思ったかというと、この楓という弟の嫁がまったくもって魅力的ではないからなのです。どれだけ顔が綺麗だとしても30過ぎて“カーリーヘア”とかないだろ。それで夫の実家で行われる家族会議に参加するのに真っ赤なスーツ着るとか、普段もオレンジのミニスカだったかミニワンピだったか着てるとか、そんな女をヘアスタイルに言及することなく作中の誰もかれもが「綺麗」と言うとかないわー。所謂“タダ者じゃない”この楓の真の目的・正体が最後に明かされるわけですが、明かされてなお、というより明かされてますますなんでこんなヘアスタイル設定にした?としか・・・。東野さんの趣味・・・・・・・・・なのだろうか。