『真田丸』第43回「軍議」

前回完全コントでわたしをズッコケさせてくれたお兄ちゃんが・・・・・・今回お兄ちゃんってばいきなり最高お兄ちゃんすぎて・・・・・・・・・気持ち的には土下座ですわ。お兄ちゃんにこの期に及んでコントやってんじゃねーよとか思ってしまったことを土下座で謝りたい。
源次郎が大坂方に付いたことを知ったお兄ちゃんは姉上にこう切り出します。
「信吉達を追って、京へお上りいただきたい。源次郎は大坂方へつきました。息子達と源次郎が争うなどあってはならぬこと」
と。
それに対し姉上が「源次郎だって、甥っ子達相手に本気にはならないんじゃない?手加減してくれるんじゃないかしら」と返すと
「私が心配しているのはそこなのです。敵陣に身内がいれば源次郎の目が曇る」
誰かの耳を気にする素振りで姉上にずずいっと近づき
「源次郎の好きにさせてやりたいのです。あれは14年間、この時を待っていたのです。敵陣に真田の旗を見れば源次郎の決意が鈍る。義兄上と三十郎にどんなことをしても戦場には出るなとお伝えください。徳川への忠義の証としてあえて一番前に陣を敷くなど、愚かなことは考えるなと」
うわあああああああああああああああああああああああああお兄ちゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!
ちょっとなんなの!?なんなんですかこのひと第一子の鏡かよ!!!!!
大坂方で弟が好きにすることで敵方にいる兄の自分に火の粉が掛からないはずがないのに、源次郎が大坂方についたことで最も迷惑被るのは自分(が守る家)なのに、お兄ちゃんは自分のことよりも「源次郎の気持ち」を考えてくれてる。愚かな考えだとしても一番前に陣を敷くことが徳川への忠義の証になるならば、戦場にでないことが、徳川方に真田の旗を立てないことがどういうことになるのか、どう思われるのか、それがわからないお兄ちゃんではないしその責任は全て自分が負うことになるというのに、それでもお兄ちゃんは「源次郎の好きにさせてやりたい」と言ってくれる。
器がデカいというのもちょっと違う気がするし懐が深いというのもなんか違う気がするので、このお兄ちゃんをどう表現するのが相応しいのかわからないのだけど、もうお兄ちゃんの優しさに、そのあまりの弟愛の深さに崩れおちました。
なんだかんだで弟に優しいお兄ちゃんだとは思ってましたが、まさかここまでとは思わなかった。お兄ちゃん推しのつもりですがわたしはまだまだお兄ちゃんのことを理解できてなかったんだなぁ・・・。
と泣きそうになったところで
『書き留めて。忘れそう』ってあねうえwwwwww
うん。あの父上がいて母上がいて、(大叔父上がいて、叔父上がいて)、そんでこの姉上がいての信幸と信繁兄弟なんだよね。
と最高過ぎるお兄ちゃんで本日のわたしのキャパはもう満杯になりましたと思ってたら・・・
片桐さんがまた・・・・・・・・・すごいことになっておりましてですね・・・・・・・・・。
これは責められない。わたしには片桐さんを責めることはできないわ。
徳川は、家康は、片桐さんが一番欲しい言葉をくれた。家康という人間をそれなりに知ってる片桐さんだからそれが“甘言”であるという意識はあっただろうけど、それでも家康の言葉はカッサカサになってしまった片桐さんの心に沁み込んでしまったんだよね。その嬉しさに必死で抗おうとする片桐さんの顔。こんな顔で苦しむひとをわたしは責められないよ。
片桐且元大坂の陣の前に豊臣から徳川へ鞍替えするってな史実があって、そこを変えてはならないからどうするのだろうかとずっと思ってたんだけど、豊臣から離れるのも、徳川に情報を渡すのも、哀しいまでに納得できてしまった。
とお兄ちゃんからの片桐さんで今度こそわたしはもうパンパンですよと思ってたら・・・
大野修理覚醒!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
白石くんの木村重成(イケメン)は期待&予想通りだったけど、まさかここで修理が男見せるとは思ってなかったってかてっきり大蔵卿-修理-有楽斎トリオが幸村を悉く阻む存在になるんだとばかり思っていたので、ギャーーーー!マジかーーーーーーーー!と叫びながらひっくり返っちゃったわよ!!。
「持ち帰って吟味する」しか言えなかった男が、母上に逆らうことになるのも構わず『自分で判断した』。なんだこのカッコいいマザコン!!!!!。
こうなりゃ勝てる!!今年は大坂勝てる気しかしない!!!!!!!
そう思ったのに、どこの戦隊ヒーローかと思った(笑)五人衆団結の次の瞬間淀殿の一言であっけなく、木っ端微塵に打ち砕かれるこの衝撃よ・・・・・・。
ていうか、大河ドラマには『史実』という大前提があるわけで、ここで幸村の策が実行されることはないってことは『解ってる』のに、それでもこの状況から「籠城」という最終決定が下されたのには驚いてしまったわけで、それはそこに至る「軍議」の内容というか、その見せ方に説得力があったから、だろう。
実はわたし、残り10話を切った今でも真田信繁堺雅人でなければならない理由を見つけられなかったんですよね。堺さんに文句はないけど、草刈正雄真田昌幸大泉洋の真田信幸のハマリっぷりと比べてしまうと堺さんでなければやれない役ではないよなーと、そんなことを思うことがあったんだけど、今回の軍議はまさに堺雅人の真骨頂だった。ひとつひとつ筋道を立て説明し、時にはハッタリ(真田家のお家芸w)かましつつ、相手を丸めこんでしまうその手管、話を聞いてる相手をその気にさせてしまう弁論力、これは堺雅人ならではですよね。盛親と全登が落ちるのも、重成が落ちるのも、そして又兵衛が幸村を認めるのも納得だし、だからこそ五人衆の一致団結が修理の心を動かすという展開がアツいのなんのって。そこかしこに見える父上との類似性含めここまでためてためてためてきたものが今回炸裂したって感じだった。
でも、でもでも、そんな幸村の理屈が通用しないのが淀殿・・・・・・・・・なんですよね。なんという徒労感であり無力感なのかと。
淀殿の「何を言っても無駄感」凄まじいな・・・・・・(幸村もそれがわかってるからそれ以上粘ろうとはしなかったのだろう)(「私の愛した人たち」の中に秀吉を入れないのがその前フリということだったのだろうか・・・)。
大筒ぶちこんじゃった(その材料を与えてしまった)片桐さんの気持ち、今なら分かる気がする・・・・・・。