奥田 英朗『ヴァラエティ』

ヴァラエティ

ヴァラエティ

綺麗な表紙だなー!。
各出版社で企画モノの1本として依頼を受けて書いた短編を出版社を越えて集めたものと、イッセー尾形さんと奥田さん、山田太一さんと奥田さんの対談を加えた作品集です。
最初に収録されている2本は続きモノ(シリーズ化を試みたけどやめたそう)であとは完全に独立した作品ですが、奥田さん曰く「まとまらなかった」短篇集だそうで、タイトルの通りヴァラエティ(これ「バラエティ」ではなく「ヴァラエティ」であるところにどんな意味・拘りがあるんだろう?)に富んだ一冊となってますが、でも不思議と統一感はあるような。
なんていうか、一見カラっとしてるんだけど底は苦い、プリンのような感じ?。そんな印象を受けました。
「ドライブ・イン・サマー」の妻も「セブンティーン」の娘も、男性である奥田さんはどうしてこんなにエグイ女を描けるのだろうか。
一番読み応え(という表現でいいのかなぁ?)があったのは『あとがき』でした。なんかちょっと、ほんのちょっとだけ奥田さん自身のことが見えた気がする。