
- 作者: 五十嵐貴久
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2016/05/18
- メディア: 単行本
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で、そのコメディ要素が私には合わなかった。一例をあげると主人公の元カノが主人公にシーザーサラダを頭からぶちまけるのとか。他にもオレンジジュースとかぶっかけてるんで“そういうキャラ”であることはわかるんだけど、自分ちならともかく飲食店でやることじゃないだろうと。言動が全体的にやり過ぎてて(私にはそう感じられて)、そこが無理でした。
世界ランク上位でオリンピックでメダルを目指しているような選手たちを相手にそもそもの素質が劣る人間たちがチームプレイで勝とうとするだなんて土台無理なわけで、でもその無理をやってやろうじゃないかってな話なわけだからその『チームプレイ』をどうやって作り上げていくのかってところを描いて欲しかったんだけど、これだけ振り切ったキャラクター設定にしたわりには主人公以外のメンバーは設定としての個人の事情を説明されただけでそれ以上の掘り下げがなされるわけではなかったんで、クライマックスのレースシーンでも心はピクリとも動かず。読み終わってみればチームの話ではなくあくまでも栄光と挫折を経験した主人公のリベンジ話だってわかるんだけど、せっかくのキャラクターたちが活かされなくて残念。