『ど根性ガエル』第6話

ゴリライモからほんとうの自分を知ってるヒロシに応援演説をしてもらいたいと頼まれその男気に応えるべく必死でスピーチ原稿を書いたヒロシ。それを間近で見ていたピョン吉なのに、なんでもうすぐ寿命がくるんだってな“自分の話”にしちゃうんだって。珍しくヒロシが自分の力でスピーチを書き上げたんだから、そこはヒロシとピョン吉が協力して立派に応援演説やり遂げて、ヒロシもやればできるじゃねーかとみんなに褒められ超ご機嫌のヒロシが背中のピョン吉に後ろ手を伸ばしたら泣いてて、「どうしたピョン吉!?」「ヒロシ、実は話したいことがあるんだ」でカミングアウトってんでいいじゃん。ヒロシと一緒にゴリライモの応援演説をやり遂げたことでピョン吉のなかで達成感みたいなものが生まれて、それでカミングアウトする気になったってんでいいじゃないか。どうしても演台でカミングアウトでなければならないというのなら、せめてヒロシが書いた原稿を読んでからにしろよと。読みながらだんだん泣けてきちゃって感極まったピョン吉がついカミングアウトしちゃったではダメだったのか?。
だってこれってゴリライモの出馬演説の場をぶちこわしたも同然じゃん。これはゴリライモのための場であって、それも公式の場であって、ヒロシならともかくそれを理解できないピョン吉じゃないだろう。
それよりなにより「ヒロシの原稿」はどうなったんだっての。ゴリライモについてのくだりはヒロシの原稿通りっぽいけど、それにしたってこれじゃ『ヒロシがゴリライモのために原稿を書いた』ことになんの意味もないじゃないか。
ピョン吉の身に現在進行形で起きている異変をヒロシが知る。それは間違いなくこの作品にとって大切な瞬間であるはずなのに、なんでこんなおかしな展開にしちゃうんだろう。なぜヒロシとゴリライモの話とピョン吉のカミングアウトを一緒にしちゃうのか、わたしにはその意図が理解できない。
いや、一緒だとは思うんだ。ヒロシやみんなとこの町でずっと一緒に暮らしたいというピョン吉の想いは、弱いものひいてはこの町の人々を守りたいというゴリライモの想いと繋がってると思うのよね。ふたりとも「ヒロシがバカやってるこの町」が好きなんだから。そう考えるとなおさらこの展開に疑問しか抱けない。ピョン吉が言いたいこと言えればゴリライモの想いはどうでもいいのかよとすら思うもん。


初回からずっと「切ない」って感じじゃないんだよなぁ・・・と思い続けてたんだけど、今回をみてようやくわたしが感じていたものを言い表す言葉がみつかりました。
これ『辛気臭い』んだ。
そしてその辛気臭さは満島ひかりという女優に対して常々わたしが抱いているイメージと合致する。
つまりこのドラマが辛気臭いのは満島ひかりがピョン吉を演じているからなのか。
そう思い至ったらものすごく腑に落ちた。そしてスッキリしました。


ヒロシとピョン吉は『親友』であるはずなのに今回ゴリライモが唐突に「おまえら夫婦みたいだな」とか言いだしてたけど、ピョン吉がなんでか満島ちゃんになって、満島ちゃんとヒロシが電撃結婚するフリかもしれないという覚悟だけはしておこうとおもう(その際、京子ちゃんはぜひともゴリライモと結婚するように。ていうかヒロシ関係なく絶対にゴリライモを選ぶべきだって!)。