道尾 秀介『月と蟹』

月と蟹

月と蟹

私が子供だった頃に比べると今の子供はさぞかし窮屈な子供時代を送ってるんだろうなーと思いながらも、生き物の「命」に対して微塵も配慮してる風がない子供達が気持ち悪かった。同情や共感を誘うつもりは毛頭ないのでしょうが、それにしたってとにかく気持ちが悪いです。気分が悪いじゃなくて気持ちが悪い。道尾小説は総じて多かれ少なかれそういうところがあると思うのですが、なにがどう、と表現することはできないのだけどこの気持ち悪さはこれまでのものとは明らかに違う。
だからだろうか、肉体的・精神的・性的問わず虐待やトラウマを描いた作品にも関わらずサクサク読める(読みやすい)のが道尾作品の特徴であり売れる理由だと思っているのですが、この作品は非常に読みづらかった。
これで直木賞取るのかなぁ・・・・・・。