『Q10』第1話「この地球上に自分より大切に思える人なんているんだろうか?」

この役だからたけさんが選ばれたのか、それともたけさんだからこの役になったのかはわかりませんが、1話で早くも平太とたけさんがばっちり重なって見えました。初主演作でこれだけ役者の持ち味とドラマの雰囲気、世界観が違和感なく一致することって珍しいと思う。ぼんやりと何かを考えたり、奥歯にそーっと指を差し込んでみたり(変態すぎんだろw)、ギョッとしたり、イヤそーな顔したり、何かを諦めてたり我慢していたり、ちょっとさびしそうだったり、驚いたり、叫んだり、そして笑ったり、全ての表情が平太でありたけさんでもあり、とにかく魅力的。表情だけでなくどことなく冷めた儚げな佇まいもこの映像にバシっとはまってる。演じているわけだから役者が見えるのはよくないだろうって意見はあると思うけど、わたしはこのドラマにこの役としては全然アリだと思う。だってこれ、アイドルドラマだもん。たけさんの声に表情に動きにキュンキュンできること、それがこのドラマにとって最も大切なことだと思うので、その点に関しては間違いないなと確信できる1話でした。
そしてその上で木皿さん独特の世界観はしっかりとあって、ドラマとしてもちゃんと見られそうだってんだもん。あーもうたけさんが羨ましすぎる。誰かに向かって「助けてください」と大声で叫ぶ、それで助けがくることはないって“知っている”けどそれでも叫ぶ。叫んだことで現状は何も変わらない。でもそうすることってきっと必要。学園ドラマときたらこうやってクラス全員が何かをするためには何行程かのステップを踏んだり、それこそ熱血教師が引っ張ったりするもんだけど、この「SOS」はそういう“イベント”じゃないんだよね。クラス一団となってなにかを成し遂げるなんて大それたもんじゃない。日常からほんのちょっと逸脱した出来事でしかないの。決してメインイベントじゃない。だからサラっと描く。一人ひとりが「SOS」に込める思いは違う。だから一人ひとりにとってこの行動の重みは違う。でもみんなで助けてくださーいと思いっきり叫んだことはきっと残る。今じゃなくずっと先かもしれないけど、この体験はきっと何かのきっかけになる。なったらいいな。そんな風に思えるドラマが初主演だなんて、いいなたけさん。いいなーたけさん。
でさ、何がいいってたけさんと池松くん演じる久保くんとの関係性ですよ!なにこの世界を敵に回そうとした二人!(笑)。平太と久保くんは唯一「同じ世界の住人」なんだよね。親兄弟や友達と同じ時間を過ごしていながらもその一日の意味であったり重みであったりってのはきっととても違うと思うわけで、それを理解できるのは平太にとっては久保くんだけで、久保くんにとっても平太だけなんだと思う。そういう特別な関係として、たけさんと池松くんの雰囲気が思いの他合ってて俺ガッツポーズ!。つーか池松くんいいわ、この池松くんはとてもいい。平太のクラスがなんかやってるのを窓から見下ろしてる久保くんにはなんだかわかんない感情がグワーっとなってきゅううううううんとなったもの!。平太と同じ世界に生きながらもその状況は平太よりもちょっとばっかり大変なことになってるわけで、それなのに平太よりも“強さ”を感じる。ちゃんと現実を見たうえで希望を失ってないというか、久保くんからはなんだか分からない優しさと温かさを感じる。これはたけさんの平太にはないもので、そら平太も平常心じゃいられないってのなw。
久保くんになにやら不穏なフラグが立ってる気がしなくもないんだけど・・・き、気のせいだよねっ。そんなことになったら絶対大号泣だよー><。
木皿ドラマの好きなところの一つは登場人物がみんな善悪であり表裏を持ち合わせてるものの根っこのところは“イイ奴”だってことなのですが、平太が飼ってる魚を誤って死なせてしまった後のあの家族の一連の行動はなんとも言えず木皿さんだなーと思った。代わりに買ってきた魚はそもそも色どころか種類すら違う魚で、つまり代わりにはなりえないわけで、平太がそれを気付くはずだと分かっていながら何もなかったかのように必死で振る舞い、平太はそれをわかった上で家族を傷つけないように・・・というよりもそれに伴うあれこれが面倒だから(と自分では思ってる)気付かないフリをすることで逃げた。姉は親のいない場所で指摘し責め、そして両親は平太に悪いことが起こりませんようにと祈った。とても微妙なバランスでお互いを思いあう家族で、この微妙なバランスってか距離感は木皿さんならではだなと。
Q10を預かることになったもう1つの軸となる家族、先生と母ちゃんの会話も具体的になにがどうとかでなく、・・・・・・イイ、よなぁ。授業中生徒たちが勝手に机やらを持ち出してワーワー大騒ぎするのを止めずにいたのって、それが彼らに必要だと思ったからとかそういうことではなくただ単に「なんとなく止めても聞かないと思ったから」程度のことだったんじゃないかと思うのですが、そういう事なかれ主義というか、所謂草食系男子っぽい先生だけどでもこの母ちゃんの息子なわけでさ、Q10と関わることで先生もまた何かを見つけることになるんだろうな。
そしてそしてやはり薬師丸さんの存在感は素晴らしいですね。ロボットドラマ繋がりでいうと、絶対彼氏のもこロボにおける並切さん的ポジションということなのでしょうが、並切さんが常にもこちゃんがロボであることを念押しする存在だったのに対し、薬師丸さん演じる柳栗子という人はロボットというSF設定をこの世界観に馴染ませるための存在ということなのだろう。材料を見つけたからと学校でパンを焼き、そのパンを向こうの校舎からぶん投げてくるなど結構強烈なキャラだと思うのに、なぜだか全く違和感ってか浮いた感じってかこんな人いねーよ(笑)ってか、そういう感じがしないのね。すごいなぁ。


でも・・・、でもなぁ・・・・・・・・・肝心のQ10は正直微妙でした。初回を見た限りではこのドラマのキーワードは『リセット』だと思って、そのために「ロボット」という設定にしたということかなーとは思ったんだけど、それにしたってあのロボ口調はどうなん?(笑)。そりゃあんな精巧なヒューマノイド・ロボットがこの世に存在してるだなんて思わないから相当変わった子なんだなーと思うだろうけどさ、でもいくらなんでもあの口調はバレんだろw。クラス総出で突如SOS祭りを始めたことよりも帰国子女と説明されようがなんだろうが、あの口調にツッコまないクラスメイトたちが謎すぎるw。学校という閉鎖空間において、今の子たちはとにかく「空気を読む」ことに全力を尽くしてるんだろうなぁなんて想像するわけですが、そこでQ10がズバっと突いたりチクっと刺したりする言葉を言うことで何かを感じたり変わったりしていく・・・ということなのでしょうが、それが「ロボット」などという突拍子のない設定である必要性を初回では感じなかった・・・かな。それこそ外国で生まれ育ち初めて日本で暮らすことになった帰国子女でも問題ないかなーとは思った。でもまぁ今はもの珍しさで許されてる発言でもそのうちあいつ空気読めなくねー?ってことになるだろうから、その時に帰国子女だと「感情」の扱い方が難しくなるというか、ロボットだったら悪口言われたり苛められても本人はわかんないってんでコメディっぽく描けるかなーってのはあるけど。そういう意味ではそこいらへんのナイーブな問題を優等生の河合さんと二人で担うのかなー。


ってなわけでその他の生徒たちですが、なんと言っても賀来くんが!河合さんに恋する賀来くんがちょおおおおおおおおおおおかわいいいいいいいいいいいいいいいいいっん><。でもリーゼントじゃなくて若干さみしい(笑)。わたし平太とQ10(と久保くん)の関係よりも、断然賀来くん演じる影山くんの恋の行方のほうが気になりますっ!!むしろそれメインで視聴すると言っても過言ではありませんっ!!!。ていうか隠し撮りすんな影山!それ軽くストーカーです!(笑)。
まさかまさかのヅラだった!(結構驚いたw)な蓮佛さん演じる山本民子(名前コンプレックスなんだろうなぁ)も気になるし、初回メインだった藤丘を演じる時生くんもさすがのインパクト。先生は独り言で名前を呼んでくれたけど、現実問題藤丘がおかれてる状況は何も変わらないわけで、どうなっちゃうんだろうなぁ・・・。授業料滞納→名簿から抹消とかどう感じればいいのか分からない。お金の問題はみんなでどうこう出来ることでもしていいことでもないもんなぁ・・・。
そしてそして、なんでそんなに気持ち悪いんだ細田くん!!!(←全力で褒めてますw)。オタク役?らしいけど気持ちわるいのなんのって!あのオーラまじパねえw。時生くんの描かれ方からしてメイン生徒は単独エピソード(メイン回)がありそうだけど、賀来くん&高畑さん、蓮佛さんはなんとなく想像できるけど細田くんだけはどんな話になるのか全く想像つかないもんw。楽しみだわー。