中村 航『あのとき始まったことのすべて』

あのとき始まったことのすべて

あのとき始まったことのすべて

私恋愛小説大っ嫌いなのですが、中村航さんだけは読める。読めるどころか泣いたりする。別に自分に置き換えてどうこうってんじゃないんだけど(想像の中で置き換えられるほど素敵な恋愛してきてるわけじゃないし・・・)、何だか「イイ」んだよなぁ。中学時代に仲良しグループとして行動していた男女4人が10年経ってそれぞれがちょっとしたキッカケ(タイミング)でもって再会し、また4人一緒に楽しい時間を人生におけるほんの一瞬だけ過ごす・・・ただそれだけの誰にでもある(ありえる)と言えばある(ありえる)であろう物語なのですが、だからこそ、なのかなぁ?心のどこかがムズムズする。とにかく小道具の使い方が抜群で、「ベアリング」とか「パーカー」とか「エビ」とか「メダル」とか「小ジカちゃん」とか、特別なものじゃないのになんだかものすごくキューーーンとするんだよなぁ。ほんと私そういうの大っ嫌いなはずなのに。