- 作者: 井上夢人
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/01
- メディア: 単行本
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とても面白かった。高い的中率を誇る能城あや子は実のところインチキで、やってることは詐欺と変わりない。調査方法も不法侵入やハッキング等の違法行為は当たり前と立派な悪人たちなんだけど、相談に訪れる人々の背後にあるものを探りだし、そこに悪事があれば悪人がいればその悪を暴き懲らしめる様は必殺仕置人のごときで、悪人という言い方は適当ではない気がするんだけど、でもまぁそういう感じです。
代表者の能城あや子はそれなりに描写があるのですが、他の3人は容姿や性格に関する特別な描写がなく読んでいて全く顔が見えない。そこがまたいかにも謎のチームらしい。
連作短編集で、1つ1つの事件というかエピソードの結末はチームの調査能力がスゴすぎるところがあって若干強引気味ではありますが、各エピソードに対してチームの人達がそれほど私情を挟まないところがプロフェッショナルらしくて素敵。最終話の鮮やかな去り際と含みを残した終わり方に、続編を期待してしまいます。