火村とアリスが初めて遭遇した事件のことを懐かしみつつ話したり、火村の下宿先の婆ちゃんの描写が比較的多かったり、そこかしこにそろそろシリーズが終わりそうな気配が漂っているような。
出会って14年なんで、テレビドラマの相棒あたりとは違い火村&アリスコンビはまだしばらく現状維持でいけるだろうとは思うけど、還暦近くなっても2人で変わらずツルんでる火村とアリスを見たいかと言えばさすがにそれはちょっと・・・となるわけで、となるとそろそろその覚悟をする時なのかもな。
とか思ってたらあとがきで有栖川版国名シリーズが前作の「カナダ金貨の謎」で十作となったので、次作は「シーズン2のスタート」という気がして「その国できたか」というものにしたくなって「日本」を採用したと書かれてて、てことはまだまだシリーズは続くようで喜ばしいけど私の感じたアレコレは一体・・・となったw。
京都の舞鶴で一本の扇だけを持った記憶喪失の青年が保護されて、この世にたった1本しかないことが判明した扇によって素性が明らかとなり、青年は生家に戻ることに・・・というのが今作の始まりなんですが、階段から転落したことで記憶喪失になったという描写と、判明した実家が結構な家柄という共通点から少し前に放送された連ドラを思い出したんだけど、「記憶喪失の青年」と交流を持つ女性が2人も登場するというのにそっち方面には発展しないのが有栖川有栖作品なのである。
とか思ってたらエピローグでアリスがそれっぽいことに想いを馳せててこれまた笑ってしまったw。