有栖川 有栖『菩提樹荘の殺人』

菩提樹荘の殺人

菩提樹荘の殺人

火村とアリスの出会いの物語・・・っ!!。
「若さ」を共通のテーマとする4作からなる短編集で、1篇目がなかなかハードな「若さ」の切り口で今回はいつもよりも社会派路線になるのかなーと思いきや続く2篇目でいい意味で「ああ、いつもの火村シリーズだな」と安心させられたところで、3篇目で『探偵、青の時代』ときましたよ!!!。勿論探偵とは火村英生その人のことで、アリスが知らない大学時代の火村先生の話を同級生の女性から聴かせてもらう、というあらゆる意味でよだれモノの一作でございました。火村×猫に喰いつく有栖川有栖さんがさすがすぎてもう・・・。
ラストのタイトル作は反対にアリスの若かりし日の思い出話がほんの少しばかり語られますが、これほんとヘビーよね・・・。アリスが火村先生しか見えなくなるのも納得です(ド真顔)。
アポロンのナイフ』に出てくる美青年の話って他作品で描かれたりしてるのかなー?。アポロンの話が読みたい。