有栖川 有栖『妃は船を沈める』

妃は船を沈める

妃は船を沈める

作家アリスシリーズです。時間軸というか話が繋がってる中編2篇からなる物語で2篇合わせて1本の長編という形なのですが、1篇目がフーダニットとホワイダニット、2篇目がハウダニットホワイダニットの混合モノって感じで謎解きが2度楽しめてなんとなくお徳な気分でした。
今回の火村先生は犯人が嫌いなタイプのようで、いつもにも増してツンケンしてる気がしたのは気のせいでしょうか。トリックというか話の肝になる出来事(という言い方でいいのかな・・・)が授業中に起きた際の、学生に対する火村先生の冷静かつ的確な指示にうっとりです。

高柳刑事はこれからレギュラー化するのかなぁ。火村先生の“アリス呼び”にすかさず食いついたりちゃんとした恋愛感情とかではなくそこはかとなーく アリス→高柳刑事→火村→(アリス)のループになりそうな気配が漂ってたので、だとしたらこのシリーズの新たな楽しみになりそう。もちろんどっちかとどうこうなるのではなく高柳さんが火村先生とアリスの邪魔ポジションでってことね!(腐)。