方丈 貴恵『少女には向かない完全犯罪』

突然何者かに屋上から突き落とされて串刺しになった「完全犯罪請負人」と両親を殺された少女が、自分を殺した犯人を突き止め両親を殺した犯人に復讐するべく相棒となる物語です。

串刺しになった黒羽は「幽霊」の状態で、霊感が強い音葉にしか見えないという特殊設定かつ幽霊でいられるのは「7日間」という時限設定のなか、2人の目的である事件の他にも過去と現在進行形で起きる事件を次から次へと推理するんだけど、本気で真相を解明しようとすることもあれば誰かを傷つけないための嘘の真実もあったりして、作中では『多重解決』と表現されているけど「真相」の先にまた「真相」があるもんで、中盤あたりで厭になった。面白くないわけじゃないんだけど脳が疲れた。

で、早く読み終わりたい・・・と思いつつ、それでも頑張ってエピローグにたどり着いたら黒羽生き返っててひっくりかえりましたわw。
物語としてそこは生還するのがセオリーだとは思うし、その布石もちゃんと置かれてはいるけれど、そういう結末になるならばその結末にたどり着くまでに頑張った時間がちょっと虚しい・・・。