わたしの感性と知能ではまあ理解はできないだろうなと、『共和主義者だった父が母によってフランコのファシスト政権に売られて死刑判決を受け、のち行方不明になる』という幼少期の体験が劇作に大きく影響していて、抑圧への憎悪と反抗を基調にして、不条理の悪夢に挑む「パニック演劇」を生んだ人の作品なんてものを柴犬とイケメンのことしか見えていないこのわたしにわかるはずがないだろうということは明白なので、なので「考えるな感じろ」精神で観ようと、それならば得意です!!という心積もりで客席につきましたが、いやあ・・・・・・まったくわかんなかったわw。
理解はもちろんのこと自分なりの解釈すらおぼつかない。
ストーリーは
絶海の孤島に墜落した飛行機から現れた男は自らを皇帝(岡本健一)と名乗り、島に先住する一人の男を建築家(成河)と名付けて、近代文明の洗礼と教育を施そうとする。お互いの存在を求め合いながらも、ぶつかりあう二人。そのうち二人は、いろいろな人物の役を演じはじめ、心の底にある欲望、愛憎、そして罪の意識をあからさまに語り出す。その行為はやがて衝撃的な結末を生みだすきっかけになっていく……。
公式サイト(https://setagaya-pt.jp/performances/202211assyria.html)より
まさにこれだけ。これだけの話が15分の休憩入れて3時間越え。
その間なにが行われているかというと、「そのうち二人は、いろいろな人物の役を演じはじめ」の部分なんですよ。いわゆる「ごっこ遊び」が延々続くんだけど、これがまあ面白かった。
意味はぜんぜんわかんないんだけど、岡本健一は岡本健一史上恐らく最大の肌面積だわ、上裸の成河は身体能力を遺憾なく発揮するわで、その瞬間瞬間「何をやってるのか」はわかるものの「なぜそんなことになっているのか」がわからん。でも面白い。わからないけど面白い。なんだこれ。これが「不条理の悪夢」というものなのか?。
しかし岡本健一はすごいわ。なにがすごいって身体がめちゃめちゃ美しい。脚は細いけど肩や胸や背中にはほどよい筋肉がついていて、贅肉皆無のすべっすべ。
終演後にスマホの電源を入れたわたしがまず最初にしたことは「岡本健一 年齢」で検索することでした。53歳だってよ。どんな生活してたらこんな身体でいられんのよ・・・。
そして成河さんもすごい。舞台役者としては最高峰であろう身体能力と場の掌握力もさることながら、存在としてピュアッピュア。わたしが観た直近の成河さんは「COLOR」なんで、年齢不詳すぎてもはや恐怖すら覚えるわ・・・。