『invert 城塚翡翠 倒叙集』#2「泡沫の審判」

原作(invert1)で一番面白く読んだのが今回の話で、理由は「犯人が女だから」でしたが、ドラマ版はぶりっ子描写も性格極悪描写も原作と比べてマイルドなんで、原作ほど「相手が女」であることによる面白味はなかったかな。
「心の声」を読ませることができる小説と違ってドラマでは内心どう思っているかを察することしかできないし。「はわわってなんだよ」はあったけど。

でも星野真里さん演じる犯人の翡翠に対する苛立ちとかムカつきはわかる。同情と共感でもって「それな」となったし、翡翠がこれまでと比べて“感情的”に見えたのは、同性相手だからというだけでなく、捜査のための「スクールカウンセラー」設定だったのに期せずして子供たちに愛情めいたものが芽生えてしまったからなのかもしれない?と、だからこそ子供たちを守るためという理由で末崎先生が「殺人」という手段を取ったことが残念だと思ってしまったからかもしれない?という、原作とは違った感想を得ることができたので「ドラマ化」として面白かった。

しかし映像化されるとクソ野郎を殴って殺して突き落としたものを「転落死」と判断する警察がポンコツすぎるな。
視聴者に対して描かれた「犯行」では例えば縁石にぶつけた様に見せかけるといった細工をした様子はなく、ただ突き落としただけのように見えたけど、であれば殴打痕と落下痕は明らかに違うだろうに。

翡翠の謎解きについては、原作にはある説明がいくつか抜けているのでこれだけ見たら粗だらけというか犯人を特定することはできない(他にも可能性が存在してる)けど、これはまあこの追及で「犯人」が認めたんならいいんじゃない?ってことでいいや。清原果耶VS星野真里は見応えあったし。