『麒麟がくる』第23回「義輝、夏の終わりに」

義輝と十兵衛のやりとり、久秀と十兵衛のやりとり、義昭もまた義輝と同じく「麒麟」への想いを胸に秘めていること、義輝排除に向かうしかない幕府周辺の今はすこぶる面白いのに、合間あいまに駒とかいう一般人が顔だすのがマジでキツイわ・・・・・・。いい加減慣れたつもりでいたんだけど、中断があったことで慣れたはずのものが振り出しにもどってしまったのか、盛り上がりつつある気持ちが一気に醒めるし萎える。義輝様お可哀想・・・って涙目になったものが駒が映った瞬間ヒュンッってひっこんでしまう。
ここまでしつこく描くからには(そして太夫がこれほど食いついているからには)駒が作る丸薬は物語のなかで何らかの、それなりに需要な役割を担っているのでしょうが(でもこの回でこれだけ丸薬の“価値”について尺を使って説明したのは久秀が言う「モノの値段(価値)は人が作る」というその過程を実際に描いた、という解釈ができるわけで、そのための丸薬であってそれ以上の意味はないってな可能性もあるような・・・)、それにしたって、息抜きパートという意図であっても太夫と東庵の駆け引きとかどーーーーーーーーーーーーーーーーーーーでもええねん!!としか思えん。

暗殺者から逃げてたら道端で踊ってるひとたちがいて駒が踊りに引き入れられてたけど、駒ってこれもうけっこうな歳じゃないの?。番組開始当初の十代半ばぐらいの年齢ならわかるけど、劇中の時間経過を考えるにそれこそ三十路とかそれぐらいだろうに、いつまでも娘扱いされてんのが違和感ありすぎる。見流せばいいとは思ってるんだけど、義輝様最大にして最高の見せ場が始まったというのに無意味に(←これが一番大きい)出番が多くてさすがに今回は怒りを覚えた。

わたしには十兵衛の目を通した義輝様しか見えていないからかもしれませんが、具体的に義輝様がどれほどの勝手な振る舞い、愚行をしてるのかとかしらんからこうまで幕府や各地の大名から「あれはもうだめだ」と切り捨てられようとしてるのが理解できないわけですよ。せいぜいが今川との戦の仲裁を頼んできた信長への対応と改元はしないという前久への不貞腐れ返答と長慶暗殺しろとあちこちに命じてたけど誰もやってくれなかったってことぐらいでなにがどうなってこうなった?ってなもんなわけで、結果的に義輝様を裏切ることになる藤孝の苦悩含めそういうものをほとんど描かずに駒の家出をダラダラとやられるから余計に駒&東庵へのヘイトが溜まるんだよなぁ(幕府のことは十兵衛の知る由もないからと言うかもだけど、だったら駒の家出だって十兵衛には無関係じゃん?)。
これで最終的に話数削減とかされたらこの回のことを絶対思い出して怒りまくると思うわ。せめて前久様を拝めればちょっとは気持ちが華やぐけどノー出番だったしさー(でも予告の前久様にめっさテンションあがりました!)。

それはさておき、蔵之介の秀吉はなんでこんな役作りなのだろうか。ただでさえ見た目が猿のイメージから程遠いうえに年齢のこともあるからいっそ思いっきり「はいはい曲者でーす!」と開き直ることにしたとか?。博己くんの光秀に対し蔵之介の秀吉ってところまではわたし的には最高といえる配役なもののそこに染谷くんの信長を入れるとやっぱり蔵之介秀吉には違和感しかないんだけど、でもこの秀吉が中国大返しするのは容易に想像できる(笑)。

それから、越前に戻った十兵衛が義景に目通りして「外の国のことは考えず朝倉で大人しくしてろ。家族と共に暮らすことが一番だ」と言われたと煕子に語ったけど、この先のことを考えるとそれを義景がどんな顔でどんな調子で言ったのか?が重要だと思うんだけど、煕子との夫婦会話の前フリみたいな扱いされててこれでいいのか?。
つーか母上歌巧いな!(あたりまえですw)。


「また会おうぞ」という果たされないとわかってる約束をする義輝様と十兵衛は美し切なかった。土スタでむかいりが「義輝様の最期に長谷川くんも眞島くんも、誰も来てくれないんだもん」ってなことを言ってて「それな・・・・・・」と画面に向かって言ってしまったけど、十兵衛も本能寺に藤孝は来てくれないし(藤孝って“そういう男”なのね・・・)、信長を討ったあとも誰も従ってくれないわけで、そこで義輝様と重なってしまったりするのかなぁ・・・と思いつつ、だから次の瞬間駒とかいう一般人を出すんじゃねえええええええ!(またそこに戻る)。

中断がなかったら義輝様の最期はもっと早い時期に放送されていたわけで、義輝様の「夏の終わり」と現実の夏の終わりが重なったことで舞台装置が完璧になった感があるのでドラマの神様ありがとう!と言ったところですが、でも目覚めたら誰もいなかった朝に紅葉が舞い散っていたわけで、それってむしろ秋なわけで、とうの昔に「夏」が終わってたことを義輝様は今頃気づいたんだね・・・。哀れだね・・・。次回の畳アタックめちゃめちゃたのしみ・・・。