『麒麟がくる』第29回「摂津晴門の計略」

将軍とサシで会話する駒からの売上金を着服とする東庵に十兵衛に長々と初恋話をする伊呂波太夫って、どちらかだけならともかく両方あるとさすがにうんざりしちゃうよなぁ。
信長が義昭のために建てた二条城が完成し(浅井長政が高身長でもなければイケメンでもなくてガッカリです・・・。長政は出ないのかなと思っていたので登場したこと自体は嬉しいけど出るならやはりイケメンであって欲しいのよ。だって勝家が安藤政信よ?まったくもって勝家感皆無だけど安藤政信が勝家なんだから長政にはそれ以上とは言わないけどそれ相応のビジュアルをもってきて欲しいじゃない)、近衛前久と十兵衛の密会を藤吉郎が知っていて、摂津は寺社とグルで悪事を働いていて、自らがその悪事に巻き込まれたことで十兵衛は摂津に喧嘩を売り、この世で一番偉いのはおひさまで次が帝で将軍は帝の門番だと教えられたと語る信長は朝倉討伐のために十兵衛に美濃へ来いと命じ、次回はついに帰蝶様再登場!!!と、ここいらへんはゾワゾワしっぱなしで面白いのにオリキャラがその流れをぶった切ってくれるもんだからストレスたまるわ・・・。

以前から藤孝に言われてるし、前久様からも忠告されたし、聡明な十兵衛ならばその時点で幕府の腐敗について何がしかの動きを見せてもいいだろうに“太夫に言われて”ってなふうに見えちゃうのがどうにもこうにも納得いかないんだよね。信長単独で上洛をと決意したときもそうだったし。
新築でピッカピカの二条城の塀に対しボロボロの御所の塀という対比は幕府と朝廷の力関係を如実に表す視的描写として有効ではあったけど、それに絡めて太夫の正親町親王に対する想いをここまで長々と語らせる必要があったとはわたしには思えん。むしろそこは軽く匂わせるだけで、以前久秀との会話で太夫が言ってた「貢いでる男」とは帝のことだったのか!と視聴者に気づかせるほうが脚本として粋だし、ひいては太夫のイメージもさらに良くなったと思うんだけど。

まあこれから描かれるかはわからない坂東玉三郎様演じる正親町天皇の人となりを太夫の初恋話という形で見せたことが今後何がしかの意味を持つのだと期待しておくけどな!。

サブタイである摂津の「計略」だけど、十兵衛の名で土地を巻き上げたのは別に横領の罪を着せようとしたわけじゃないよね?。以前から幕府はこうやって私服を肥やしてる奴らがいて、このところ幕府内で頭角を現している明智殿にもその恩恵を分け与えようとしただけだよね?。もちろんそこにはそれ(悪事)を受け入れるか、そういう意味で使える人間かどうかのテスト的な意味合いがあったのでしょうが、それを「計略」と言われるとピンとこない。
ていうか将軍が家族のためにくれると言ったものだからと即座に土地を返すことはせず、誰が誰からどうやって横領したのかはっきりしたら返しますって、言ってることは正しいように聞こえるけど出所のわからない土地を貰った十兵衛も十兵衛よね、と思わなくはないです。


あと鼓打ち姿も麗しい前久様にはアヒーーーーーーーン☆となりましたが、その前久様に言われて「イヨーーーーッ」と鼓を打つ十兵衛ってのもよくわかんなかったですw。お茶の作法も見事だったし、茶器の知識はないけどお茶も鼓も恥ずかしくない程度にこなす(有職故実にも詳しい)光秀と、鼓を打たせることで信用に足る人物であるかある程度見極めることができる前久様を描いたのだと解釈しつつ、相変わらず博己くんの手が美しいのでよくわかんなくともこういうのもっとくださいw。