『ウーマン・オブ・ザ・イヤー』@赤坂ACTシアター

大好きな相葉裕樹さんが出演するというただそれだけの理由でチケットを取りました。ファーストレディーの次に有名と言われ世界中のセレブと知り合いでウーマンオブザイヤーに選ばれた主人公と年下の風刺漫画家のラブコメというざっくりとした設定だけでもう・・・わたしの苦手なヤツだなとしか思えなかったので言葉選ばずに言いますが内容自体には全く期待してませんでした。宝塚の元トップスターの方の退団後初舞台の相手役(のが多いなw)として相葉っちがどれだけやれるのか、わたしの興味はただその一点だけにありました。

で、観終わった瞬間のわたし↓↓


すっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっごく面白かったああああああああああああああ!!!!!!!!!(若干涙目で)。


いやもう観てる間中ずっと笑顔でしたわ(ニヤニヤ含むw)。

話(ストーリー)自体はやっぱり大した内容じゃなかったです。出来る女と年下の(イケメン)漫画家がくっついて離れそうになってまたくっついてってだけなので(その過程を楽しむ作品なのでしょうがわたしとにかく恋愛話に興味がないんです・・・)、はっきりいってどうでもいい。でもテスとサムの主人公バカップル(笑)を筆頭に舞台上の人物たちがみんな生き生きとしてて、キャラクターとしてすこぶる魅力的なんですよね。パンフレットに役名が載らない末端の人物までとにかくみんな。そしてなにかというと全員で歌う。宮尾俊太郎さん演じるアレクセイのスタジオのシーンとかあたまおかしい勢いで全員で歌って踊る(笑)。

そこまで熱心に公式やキャストがSNS等で発信する情報や言葉を読んでいるわけではないわたしですらカンパニーの雰囲気が良いであろうことは感じさせられていて、それがそのまんま舞台上に溢れてる感じなんですよね。演ってる側の「楽しい」って感情を分けてもらうというか、巻き込まれるというか、観てるだけで自然と笑顔になってしまうのです。

ていうか原田優一さんですわ(笑)。もう登場しただけで笑いを取りますからね(笑)。本役であるチップはもちろんそうでない役のときも怒涛の勢いで客席を笑わせる原田優一があらかた掻っ攫っていきおった(笑)。

ともすればやりすぎになりそうなほど強烈なキャラ&存在感なのに、それがまったく浮かないのは原田さんの絶妙なバランス感覚(と原田さん自身のキャラクター性w)とこの作品のハッピーさによるところなんじゃないかな。

笑いを担うのが原田さんだとすれば芝居を締めてくれたのは今井朋彦さん。テスの秘書役なのですが、もーう「うっま!!!!!!!!!!!!!」と何度心の中で叫んだか!。

そういうもの(そういう設定)だと思って観てはいるものの、外国、特に欧米の作品を日本人が演じるのってどうしたって違和感はあるじゃないですか。言葉(会話)は台詞だからそうでもないとしてもベタなところで言うと“OKと言いつつ肩をクイっと上げる”とか“両手を開いてヤレヤレ”とかさ、仕草を含めて「日本人が外人を演じる」のってどこか気恥ずかしさのようなものがあったりするものですが、その点今井さんは超絶自然に「テスの敏腕秘書ジェラルド」だった。作品の世界観にあまりにも自然に溶け込んでいてとにかく絵になる。おまけに芝居歌も上手いもんだから『ミュージカル出演は10年ぶり2度目』と聞いて椅子から転がり落ちそうになるほど驚いた。今井さんの秘書と共にテスを支える家政婦役の春風ひとみさんとのコンビ曲はお二人の雰囲気&サイズ感wと相俟って適度に毒が効いてて最高の1曲だったし、こんなにも素敵なのになぜミュージカルにはあまりお出にならないのかわかりませんが、そんな貴重な機会をわたしに与えてくれた相葉っちに感謝だわ!。

貴重な機会と言えば宮尾くんにとって初のミュージカル出演作であることもそう。テスの友人で世界的に有名なロシア人バレエダンサー役なんだけど、あてがきかよ(笑)ってほど宮尾くんにピッタリw。

テスとサムの初夜にどんどんと人が集まってきて ふたりっきりだね→さんにんっきりだね→よにんいるね→(中略)→じゅうさんにん(だったかな?)いるね と増えていくというコント曲(笑)があるんだけど、新婚さんを二人っきりにしてあげなきゃと集まった人たちが屋敷をあとにし、再びテスとサムが二人っきりになれた・・・と思いきやそこへ行方不明のアレクセイ(宮尾くん)がやってくるってな流れで、インタビューするべくコーヒーを用意するわとテスがキッチンへ行ってしまうと「・・・・・・ふたりっきりだね」って最初に戻るわけですよw。でもそれは相葉っちサムと宮尾くんアレクセイなのよw。こうなるとはまったくもって予想できなくてクッソ笑ったわー(笑)。

というわけでお目当てである相葉裕樹さん。相葉っちはいつの間にか宝塚のトップスターさんの相手役をやれるようになってたんだなぁ。

この作品を観劇された城田優さんが

相葉ちゃんの成長に感動した、土曜の昼下がり

ラケット振ってた高校生が、今や30歳ですって🧟♂️

ツイッターで書いてるけど、30歳という年齢云々ではなくこういう役、こういうポジションを任せてもらえるようになったんだなぁって、それを強く実感せずにはいられなかった。

年下の男役ではあるけど、作品のど真ん中で元宝塚の方を相手にバリバリの恋愛コメディを演じる相葉っちはこれまででいちばん大人の男感がありました。早霧さんがとんでもなく細くてスタイルがいいのでその対比であり相乗効果もあるのでしょうが、相葉っちの身体が非常に男らしく見えてだな、さらに基本ベストスタイルなので手足の長さも強調されていてだな、つまりなにがいいたいかというと早霧さんの相手役としてものすっごくお似合いだったのよおおおおお!!!。

3曲もあったソロ曲もそれぞれまったく曲調が違うんだけどすべて綺麗に歌えていたし声も出てたし歌詞聞こえも良かったし、自身の分身であるカッツに対して“テスと出会うまでの自分は人と喧嘩したり大声で言い合いすることなんてなかった。それがどれほど退屈なことであるか今は知ってる”と寂しさを吐露し、そして結婚生活を続けるために仕事を辞めて専業主婦になるという自分なりの答えを出したのに受け入れてもらえずそれならばどうしてほしいのかと聞くテスに“バリキャリの君が好きだから自分のためにそれを変えて欲しくない。僕の願いは君の人生のほんの一部でいいから僕の場所を作ってほしいだけなんだ”と伝えるシーンはサムという男の馬鹿さと優しさがギュギュギュっと詰まった素晴らしい瞬間で、相葉っちはこういう演技が出来るようになったんだなーって、いやはやマジでラケット振ってた高校生時分から見続けている者としてその成長に感動ですわ(対して全く成長しない自分には絶望しかないけどw)。