『モリのアサガオ』第2話

恐らく視聴者目線というか所謂“一般大衆”目線として用意されたのが香椎さん演じる主人公の恋人なのではないかと思うのですが、その女が公私混同ってか、可哀想な被害者家族を助けるは当然でしょと言いながら彼氏の仕事を私用で利用しようとするのにイライラしました。確かにあの一人生き残った娘さんは気の毒だと思うよ。家族を殺した犯人が死刑囚として今現在どんな様子なのか、どんな思いでどんな時間を過ごしているのか知りたい、心から詫びる言葉を聞きたいと思うのは当然のことだと思う。でも普通は死刑囚とコンタクト取る手段なんてないわけでさ(手紙のやりとりは出来るだろうけど)、そう思ってもどうにもならない被害者家族や関係者が大勢いるわけじゃん。あの娘さんって別に元からの友達とかそういうんじゃないよね?。記者として知り合ったわけだよね?。そこで過剰に感情移入して彼氏に職務規定を逸脱するような要求突きつけるとか身勝手すぎねーか?と。この先同じようなことを頼まれたら毎回彼氏に顔つなぎするのかよと。この女がどうも癇に障るのって、娘さんが「あとわずかの命」ってところに反応してるっぽいことなんだよね。前述の通り被害者遺族が死刑囚のことを知りたいと思うことは当然だと思う。だから被害者遺族がそれを望むなら全て叶えてやる!という覚悟というか、信念?みたいなものでもって行動してる人物ならそれはそれでいいと思うんだけど、この女はもうすぐ死んじゃうんだから“最後に”その望みを叶えてあげたいと思わない?ってスタンスなのがイラつくんだよね。“可哀想な被害者遺族のために頑張る私”に酔ってる感じがして前半はイライラしまくりでした。しかも主人公はその頼みを受け入れちゃうからね・・・。
てか刑務官って、死刑囚に悔い改めさせるようなことをしていい立場なのか?。死刑囚の方から会話を求めてきたりして、その中で悔い改める言葉を言うならばそれを聞いてやるとかさ、そういうスタンスじゃないのかなぁ。新人刑務官と死刑囚の魂と魂の交流と言うわりには、前回の大福やらねーって勝手に判断したり今回の(最初の頃の)一方的な干渉の仕方って、ものすごく勝手な行動に見えるんだよなぁ。一生懸命というよりも無神経で無責任に見える。そういう意味では主人公とその彼女は似たものカップルと言えるかもだけど、主人公のあの程度の言葉と熱意で改心するってことは、主人公以外の人がどれだけ死刑囚たちと向き合おうとしてないんだ?とすら思えるもん。でも多分それが本来の刑務官のあり方なんじゃないかな。それにしちゃ主人公が怒られたり諌められたりしてるシーンはないから(羽交い絞めにはされてるけど)、もしかしたらみんな最初は主人公のようなことをしたことがあって、そこから自分なりの職務に対するスタンスを見つけて今に至る・・・ってことなのかなー。
なんてことを考えつつも毎回毎回死刑囚の人達の熱演に圧倒されまくりです。気の毒な過去があろうがなんだろうが、無銭飲食を咎められ店の人間惨殺ってそら共感の余地はないし同情だってできるはずないと思うのに、家の模型作りの根底にあるものとか幸せな家族を壊したいと思ってしまった気持ちや、そしてその罪の重さに初めて思い至ってしまった瞬間の絶望や、孝二演じる星山の心の動きが伝わってきまくりで、なんともいえない気持ちになってしまう。スナック菓子の味が薄いと文句ブーブー言ってた星山なのに、3日後の面接までに模型を完成させて見せるんだ!って嬉しそうに言うのとかさー、もうこの後何が待ってるか分かってるから辛いし可哀想に思えちゃう。お前なんで人殺しなんてしちゃったんだよってなぁ・・・。


メインのARATAは日本刀に続きエアピッチャーとかほんとにもう・・・ご馳走さまです。エアキャッチボールとか普通陳腐なシーンになるだろうに、ARATAがやるととんでもなく素敵に見えるわ・・・。CGはアレだったけどw。