桐野 夏生『東京島』

東京島

東京島


やはりそこにLOSTみたいな世界はなかった(笑)。
読む前の情報として “無人島に漂着した30人ぐらいの男の中に女はたった一人”ぐらいしか持たずに読み始めたので、その女の設定にまずニヤリ。ああ、桐野姐さんの新作を読んでるわーってニヤニヤしながら実感しました。で、感想を一言で言うと女は逞しいなと。対象がモノであれ男であれ生きることであれ、執着心こそが女を作る最大の要素だと私は思います。
方や文明・文化が発達し暮らしやすいとは言え未来があるかどうか分からない世界、方やこれから未来を自分の手で作り上げる世界と、自らの意思とは関係ないところで生きるフィールドを決められてしまった元々は一つの存在。どちらが幸せなのだろうか。DNAレベルでお互いを求め合う2人の未来がどうなるのか、続編が読みたいです!