新堂 冬樹『ぼくだけの☆アイドル』

ぼくだけの☆アイドル

ぼくだけの☆アイドル

あきお、27歳。昆虫ショップでこき使われる日々だけど、アイドルのみーちゅんと(脳内で)恋愛中。絶対に無理だとわかっていても、アイドルに想いをよせたっていいじゃない。ファンタジック・ニート青春小説(帯より)。


くっだらねぇぇぇぇぇ!ものすっごくくだらねぇぇぇぇぇ!
こういうオタクの脳内恋愛小説を読んだことがある気がするんだけどなんだったっけな・・・?まぁ内容としてはどっかで読んだことあるような話なのですが、新堂が描くダメ男の言い訳っぷりが大好きな私としては、これ結構好き。

半分新堂先生の趣味入ってます。恐らくさほどメジャーではないであろうアイドルの筋金入りのマニアを自称してるあきおなのに、お昼の長寿人気番組「笑っちゃだめなり」(すごいネーミングセンス・・・)にみーちゅんが出ることを知らないというアイドルオタとしてあるまじき行為を平気でとらせるなどストーリー自体はいかにも適当に書いたような行き当たりばったりのユルユルなものなのですが、あきおが世話するクワガタやカブトムシの記述だけやたら熱いんだもん。そもそもあきおが昆虫ショップで働いてるという設定に全く必要性がない。ていうか帯に“ニート”て書いてますけど、立派に働いてる(それも週6で)あきおは全然ニートじゃないし。なんかもういろんなことが適当だ。
あきおの友人で、六本木のダイビングショップに勤務する新堂小説では定番の美辞麗句で描かれるイケメンが登場するのですが、こいつがまた言い訳大好きななかなかの素敵キャラでして、むしろあきおよりもこっちの物語が読みたいです。

オタの私としてはまぁアリかな・・・という感じですが、しょこたんの推薦文に惹かれて買おうかどうか迷ってる人は今一度検討しなおすことをオススメします。