『dele』第5話

圭が車椅子に乗らねばならない身体になった時期と理由、祐太郎の過去を、圭の元彼女と依頼人の女性二人との会話の中で少しだけ、少しずつ、描く。独特の言い回しで紡がれる二組の会話の最後に残ったものは「依頼人になったらお別れ」という元彼女の言葉と二度目の「遅いよ」という依頼人の言葉。
全てがわかってみれば依頼人の語ったあれもこれもが実は全く別の目的であり理由であり事情であったことが見えてくると、そして依頼人のデータが「愛の証」だという祐太郎の言葉が圭にとってどんな意味をなすのかがわかるあたりはまさに本多孝好の小説そのものでしたが、それはつまり小説でいいじゃないか(小説で読みたいよ)、ということでもあるわけで、わたしが恋愛話を好まないこともあるだろうけど今回はちょっと退屈な話であり画面作りだなぁ・・・とか思ってたらそういう話だったか。サトシと友達と思ってた男の関係を理解した瞬間の依頼人の顔はすごかった。これは文字では表せないわ。
ていうか冒頭のスポーツバーでの男二人の会話というか雰囲気とか距離感が“男友達”のソレじゃないよなーと思ったのはわたしがそういう目線で見てたからというわけでもなかったのか。ちょっと安心w。
今回どうしても突っ込みたかったのは、カードの明細に会社名が印字され(そういう請求の仕方をしていて)、会社名で調べれば業務内容がわかってしまう=依頼人がデータ削除を依頼していたことが身近な人間にバレてしまうじゃないか!ということ。祐太郎の素性が依頼人にバレるにしても(作劇上バレる必要があるのだとしても)、意識不明状態になって3日かそこいらの成人した息子のカード明細を見ちゃう母親含めこの展開はいただけないですわ。