『西園寺さんは家事をしない』最終話

別に家事が好きなわけじゃないのに家事代行やってたり、面接時の感じからし陰キャだと思ってたのに娘と和解したらガハハ系おばちゃんになってたりとキャラ設定がよくわからん西園寺母だったけど、なぜ夫ではない男と共に家族を捨てて出ていったのかの「語り」は圧巻だった。
そりゃ対母親感情をあれだけ拗らせてた西園寺さんもごめんなさいするわなと、ザ昭和の価値観男だとしても高畑淳子浅野和之に心をすり減らされるとは思えないっちゃ思えないけどその「思えなさ」すらねじ伏せる圧倒的説得力だった。

それ以外はほぼほぼ蛇足、「むーってする」ルカちゃんのかわいさとそれに振り回される松村北斗パパをしっかと目に焼き付けるだけの最終回でした。

家出中のルカと黒子・横井さんを尾行中、私たちの気持ちに気づいたんだよと話しててルカを見失った西園寺さんに「なにしてるんですか!」とか言ってる楠見くんはおまえこそなにしてんだよとw。

あとこれはマジな話、偽大家族に「瑠衣の母親」である奥貫さんを巻き込んだのはやりすぎです。楠見くんに「たまには遊びに来なさい、息子なんだから」と言う義母はこのドラマのなかで指折りの良シーンだったのに台無しじゃん。

これだけやっても解消されない「むーっ」をどうするのかと思ったら、ルカの「視える」設定がこういう形で花開くとは予想できず、そこだけは「巧い!」と膝を打ったよね(某ドラマを思い出しつつ)。

結局「偽家族」ではなくなったけど(だからってシルバニアファミリーコレクションを置いていくのは違うと思うの。あの部屋は西園寺さんにとっての「夢の国」で楠見くんとルカちゃんという「現実」を手に入れたからもう不要、という描写のつもりならこのドラマの評価を10段階で7から2に下げるよ?)3人+1頭の関係に名前を付ける必要などないってんでどこぞの国へとおそろいのボーダー姿で旅立つというエンディングでしたが、どこに行くにせよ(ルカに英語喋らせてたからアメリカだとは思うけど、だとしたら楠見くんなんのために幼子連れて日本に戻ってきたん・・・?と思わなくはないです)貨物室で長距離移動し目的地に着いたら検疫でどれぐらいの時間隔離されるのかわからんリキが心配・・・。