ミュージカル『ヘアスプレー』@東京建物ブリリアホール

メイン曲である「You Can’t Stop the Beat」を始め楽曲はいくつか見聞きしたことがあるものの映画は未見なので事前に見ようか迷いましたが、迷った末に「まっさらな状態で見よう」と決めて、観劇日を迎えました。
結果としては見ないで良かった半分見ればよかった半分ってな感じ。
見終わったあと映画版の歌唱シーンを何曲か視聴しましたが、やっぱり全然違うんだよね。そこに物足りなさを覚えてしまったかもしれないので見ないで良かったし、展開がかなり急なので映画を見ていればその隙間を埋めることができたのかなーとも思う。

とはいえ面白かったです。面白かったしかない!!。
キャストがみんな嵌ってて、あっちもこっちも見たくて目がぜんぜん足りないのなんのって!!。
特にリンク役の三浦宏規くんとシーウィード役の平間壮一くんとコーニー・コリンズ役の上口耕平くんがキレッキレ!!!。

三浦くんは主人公のトレーシーが出演を夢見るテレビ番組のスターダンサーで、上口くんがその番組の看板司会者で、壮一くんはトレーシーにダンスを教える黒人のクラスメイトという役どころなんですが、同じ「キレッキレ」でも三者三様で見てるだけで目がウキウキしちゃうし、ラストのYou can’t~では三浦くんと壮一くんが並んで踊るんだけど、同じ振りでも役として「ルーツ」が違うことが明確に解るし、それが三浦くんと壮一くんの持ち味と直結しててとにかく楽しいし、上口くんのいかにもなアメリカ人司会者っぷりマジでサイコウ!!!。
ダンスが主体の作品だと特に群舞のシーンなんかではプリンシパルがアンサンブルに埋もれちゃうことがあったりするけど、この三人は文字通り「抜群」にキレッキレで「いいものを観た」感がすごいし、これだけバリバリに踊る(踊れる)のが自分の推しだったら確実に昇天しながら貯金通帳さしだすわ。


女子もカワイイ!!トレイシーの親友・ペニー役の清水くるみちゃんはアホ可愛いし、トレイシーのライバル・アンバー役の田村芽実ちゃんはザ・スクールカースト最上位のワガママ娘っぷりが見事。
そしてそんな二人と並んでもあらゆる意味で遜色がない渡辺直美の凄さな。
正直歌もダンスもミュージカルとして見るとそれなりだし、演技もちょいちょい「アメリカ人コント」っぽくなっちゃうところがあったりしたけど、圧倒的な華とキュートさで見事に「女子高生」として馴染んでた。


で、ちょうどいいのでこの流れで書くんだけど、リンクやアンバーは「テレビに出てるスター(候補)たち」だと思ってたのにトレイシーと同じ高校に通っててびっくりした。
リンクたちは「コーニー・コリンズ・ショー」の所謂「中の人」で、トレイシーはあくまでもそれをテレビの向こうで見てる側、憧れてるだけの女の子、という関係性だと思って見てるのに、突如リンクやアンバーがガチの『体操服』姿で登場し(リンクの短パンとかなんでこんなピッタピタなのw)、そこへトレイシーとシーウィードたち特別支援学級(居残りクラスと言われてたけど居残りさせられてるのはトレイシー以外みんな黒人だからいわゆる黒人クラスってこと?)の生徒がやってきてドッジボール?が始まったもんだからめちゃめちゃ混乱したわ。え?同じ学校に通ってんの???って。
映画を見ていればわかっただろうなーと思ったのは主にここいらへん。

そしてこのあとリンクに「そこまでやることはないだろう」と引かれたほどのアンバーの「攻撃」によって気絶したトレイシーを見たリンクが「素敵だ・・・!」とか言い出して違う意味でびっくりしたんだけど(笑)。
リンクがトレイシーと恋仲になることは事前情報として知ってたけど、ビッグサイズという外見をコンプレックスに思うことなくそのまんまの自分で夢に向かって真っすぐ進む人間性に恋をする的な、そんな感じを想像してたもんで、ぶっ倒れてる巨大な女の子を見て「素敵だ」って、この人イケメンだけど変態なのかな??って(笑)。
見終わる頃には顔はいいけどアホなんだなと解ったけど(笑)。

若手を支える親世代を演じる役者さんたちもまさに適材適所で抜群の安定感。
どうなっちゃうのかと思った山口祐一郎さんのエドナママと石川禅さんの夫婦はふわふわしてて微笑ましいし(ラストのミスヘアスプレーコンテストに搬入された巨大なスプレー缶から出てくるのはトレイシーだと思ってたんで、自作のド派手衣装を着たエドナママだったのにはぶっふぉwwとなったw)、アンバーの母でありコーニーコリンズショーのプロデューサー役の瀬奈じゅんさんはめいめいアンバーとセットで絶妙なイライザポジションっぷりだったし、そして可知寛子さんの万能っぷりと川口竜也さんの贅沢な使い方と、盤石の体勢とはこのことよ。


そしてそしてなんといってもシーウィードの母親でモーターマウス・メイベル役のエリアンナさんがとにかくもうさいっっっっっっっっっっっっこうにカッコよくて、逮捕されても人種差別をなくすための行動を諦めないと、再び行動を起こそうというトレイシーに対し尻込みする黒人たちに向けて歌うナンバー(I Know Were I’ve Been)ではもう俺達のエリアンナアアアアアアアア!!と心のなかで拳を突き上げ叫んだ。エリアンナさんがこの役を掴んでくれた巡り合わせには感謝しかない。


最初に書いたけどマジで目が足りなかったんで(壮一くんシーウィードとくるみちゃんペニーのイチャイチャをついつい見てしまったw)願わくばもう1回は観たいところでしたが、超人気演目だけあってそれは叶わなかったんでぜひとも再演を期待したい。その際俺達のエリアンナはマストで!!!。