伊坂 幸太郎『残り全部バケーション』

残り全部バケーション

残り全部バケーション

ものすごくザックリと言うことを許してもらえるのならば、個々人のモチベーションというか、『今自分に何が出来るのか?』ということを描いているのが伊坂さんだと思うのですが、正直以前(震災前)の伊坂作品は『自分がすべきこと』のスケールが大きすぎて、私のスッカスカの脳みそでは追い付けなくて、なんかもう・・・違う世界の話のようにすら感じていたりしたんだけど、今作はどれもこれも“普通”とはちょっと言えないような人たちの話でありながら「あるある」って思えまくりで、なんていうか・・・ホッとしました。震災以前に描かれていた作品も含まれてはいますが、これまでずっと前を見て進んでた伊坂さんがふと振り返って手を差し伸べてくれたような気がして。
別についていくことを諦めたわけじゃないんだけど、ちょっとスピードが速すぎて息切れしそうだったんで、ほんと嬉しかった。
ていうかまぁ・・・わたし今まさに『残り(人生)全部バケーション』を実行してるようなもんなわけで、おうそうか!全部バケーションか!いいこと聞いたぜ!さっすが伊坂さんいいこと言うよね!みたいな(笑)。