- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/09/23
- メディア: 単行本
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ここのところ新境地開きまくりの伊坂さんについていくのが実を言うと息切れ寸前・・・でしたが、ひっさびさに伊坂小説を読んだあああああああ!って気持ちです。面白かった。文句ナシに面白かったです。
グラスホッパーの続編的作品にあたるので、世界観は当然延長線上だし、作中でグラスホッパーに登場したキャラが会話の中やなんかで普通に登場します。それだけでもときめくのに、今回は新幹線という一種の「密室空間」なのでドキドキ度はグラスホッパー以上と言ってもいいかも。ネタバレになるので詳細は伏せますが、とにかくこの新幹線・・・・・・どんだけ大集合だよと(笑)。しかも思う存分殺しあってもらうためにお膳立てされてるとかアホか(笑)。
ついでに言うと電車の構造を上手いこと活かしたオチ(なのか・・・?)には笑った。七尾たんどこまで可哀想なの(笑)。
蝉には到底及びませんが蜜柑と檸檬の果物コンビはかなりお気に入り。どっちがじゃなくてセットで好き。片やトーマスを愛する乱暴で粗暴な檸檬、片や小説を愛する思慮深いけど怒ったら超怖い蜜柑と、ベタすぎるコンビ設定ではありますが、なんたって蜜柑が薦める三島作品が「禁色」ですからね・・・そらそっち方面の妄想爆発しますよね・・・。檸檬も檸檬でトーマスに登場する機関車やらなにやらの説明を「説明文通りの『ひらがなで』暗記してる」とかたまらんだろ!!トーマスシール持ち歩いてるとかたまらんだろ!!!。しかもそんな二人の外見は背が高いいい男系なんだぜええええええええ!伊坂先生釣りすぎですっ!!。
王子はとりあえず全力でムカついた。読者がそう思うのは想定内というかそれを狙って描かれているのでしょうが、でも作品内でも思いっきり「胡散臭いガキ」だと思われてるのが面白い。自分で思ってるほどの「力」はないんじゃないかなーなんて思いながらもそんな子供にいいように翻弄される木村のおじさんモエ・・・はしませんでした(笑)。
で、そうなるのもむべなるかなって気はするけど、鈴木さん達観しすぎ(笑)。