- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2019/04/05
- メディア: 単行本
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古代から未来の日本を舞台に歴史のなかで起きる「海族」と「山族」の対立を描く『螺旋プロジェクト』の一作。
同じ「設定」というか「約束」の元に描かれた作品でありながら、先に読んだ薬丸岳さんの「蒼色の大地」とは全く違う、なにもかもが違う作品で面白いやら驚くやら。
薬丸さんは「これほんとに薬丸さんの作品!?」と何度も思ったのに対し、伊坂さんは縛りがあっても「ああ、伊坂さん(の作品)だ」といういい意味でのお馴染み感があって、時代(設定)によるところも大きいかとは思いますが、ゴリゴリの世界観のなかで壮大な戦いが繰り広げられた薬丸作品に対し、伊坂さんは嫁と姑であり、事故で両親と姉を亡くしあった弟同士であり、個人対個人という云ってしまえば「小さな対立」を描いているところがすこぶる面白い。でも小さな視点の背後には米ソの冷戦やAIといった「大きな要素」があって、しっかりと時代を感じさせるのです。
あーやっぱりこれシリーズ全作読んだほうがいいやつかなぁ・・・(まだ迷ってる)。