『ヴォイス〜命なき者の声〜』第1話

法医学という題材は悪くないどころか興味ありまくる分野なんだけど、ドラマ、それも月9の初回としては微妙なつかみだな・・・という印象かなぁ。前クールで大活躍してた某内田さんバリに(自称)いい女オーラばりばりでしゃしゃられたらどうしようかと危惧してた矢田さんの出番が控えめだったのでそこはよかったんだけど、メイン5人のキャラ設定(特に佐藤くんの・・・)と瑛太さんの役の常人離れした推理力と、それから何よりも故人の関係者宅に単なる学生がずかずか押しかけ慰めと言う名の推理(あの時点では妄想レベルと言ってもいいぐらいだったわ)をペラペラ披露するという若者たちの常識のなさというかなんというか・・・そこいらへんにモニョッた。
ていうかさ、瑛太さんの役は自分の気持ち(志望)関係なく勝手に向いてるだのなんだの判断されてゼミを決められて怒らないのかと。だって心臓外科だっけ?それと法医学ってぜんっぜん違うじゃん!瑛太お前に夢はねーのか!?と思ったわ・・・。しかも実力不足で落ちたってんならまだしも時任が否定しなかったってことはやっぱり合格してたってことでしょう?お前それ納得できんの!?ってものっそい不思議だった。それでブーたれて斗真以外のゼミ生達と馴染まない瑛太さんでしたが生来の好奇心が発動+疑問をそのままにしておけない性格なもんで自分でも気付かないうちに事件を推理し、その推理の手足となって動いてくれるゼミ生達をいつしか仲間と思うようになり、やがて法医学の魅力に気付く・・・とかそんなパターンなのかとばかり思ったのに、(石原さんも含めて)早くも仲良しこよしどころかこの瑛太さんノリノリであるって感じだったしね、これでこの先どうするのかと一話にして早くも思っちゃったんですけど・・・・・・。今後の展開として斗真は父親との確執ってか父親が描いている斗真の未来と斗真のソレとは違ってるという軸でしょ、それと石原さんは親(母親だっけ?)の死に不審を抱いているというか謎があると思ってて、法医学教室に出入りすることで(一流の法医学者になることで)その謎を自分の力で解明しようとしてるという軸は見えたかな。それと瑛太さんには子供のころから死者の想いを感じられる、死者を思いやれる子であった(子供時代って与六よね!つまぶと瑛太さんの、そして亀治郎さんの子役をやるとは加藤清史郎くん要チェックや!!)ってだけでなく軸となる何かがあるんだろうけど、瑛太さんはともかく前の2人の背景には特別そそるものはないし、佐藤くんと遠藤くんに至っては多分なんもないだろ。あっても例えば佐藤くんの暴走族時代の仲間が解剖に回されてきたとか一話程度のエピだろう。となると、毎回単発の事件+メイン三人の背景だけで10話?11話?引っ張れるのだろうか。
で、一番不安に思う理由って、このドラマって「法医学教室」のゼミ生である必要があるんだろうか?と思っちゃったことなのよね。落下物の重さが30キロ程度だとか死亡時の死体の格好や表情が微笑んでたという材料はなるほど、法医学教室ならではなのかもしれない。でもその先の「野球が嫌いだった」だの「子供が作ったらしき花束があった」だのってのは法医学関係ないってか矢田さんのセリフじゃないけどそれこそ“法医学に携わるものとして行き過ぎた行為”の結果よね。おまけに関係者の家に押しかけ100%想像でしかない、何の確証もないことを“法医学教室の者だと名乗った上で”ペラペラ喋るってのはほんとにどうなんだろう?と思うんだけど。法医学って学問なわけだよね?瑛太さんの推理(想像)の中にはまだゼミ生になって数日だからということを差し引いてもその“学問”を活かしたらしきところが全くなかったのがなぁ・・・。法医学は死者が残したもの、事件であれ事故であれ何であれ “さっきまで生きてた人”が残した最後の言葉を読み取る仕事なんだと思う。でもそれは数字でも物質でも何でもいいけど科学的根拠というか裏付けがあるからこそ“声”になるんだと思うのね。そして時任が言う「法医学者に向いてる」ってのは普通なら見落としてしまうちっぽけな傷や証拠品を死者の声として拾いあげられるということなのではないのでしょうか。そこを譲りたくはないけど百歩譲ってはみだし法医学ゼミ生の事件簿にするってんならそれでいいとしても、今回のエピでフォローすべきは元妻ではなく飛び降りた子供なんじゃないの?瑛太さんに死者であるモロ師岡(このキャスティングがまた泣かせようとしてんのミエミエで腹立たしいわー)(←モロ師岡に弱い人)の声を代弁させたいんだったらそれは元妻ではなく助けた子供へだろう。小学生が飛び降りるってよっぽどのことだろうし(しかも建設途中の工事現場に入ってまで)、勇気振り絞って飛び降りたのに知らないオッサンに助けられ、しかもそのオッサンがそのせいで死んじゃったってさぁ、その子にしたら一生モンの重荷背負わされたようなもんじゃない。それを「ごめんなさい ありがとうございました」の紙切れ一枚でめでたしめでたしにするってのはちょっと酷すぎやしませんか?と思ったわ。いっそこそこそ花束持ってきた子供捕まえてその子にえらっそうに説教した上で「おじさんの分もしっかり生きなきゃだめだよ」ぐらい言わせりゃよかったじゃん。他人(死者)の人間関係にずかずか押し入らせるつもりなら最後まで責任もって描けよと。ていうかそもそもなんで自殺だと瑛太が断定してんのかがさっぱりだわ。小学校低学年〜中学年、工事現場、落下ときたら自殺よりもまず遊んでる最中の事故を考えると思うんだよね。へたに自殺なんてことにしちゃったから子供の事情まで気になっちゃうわけでさ、まぁそれは全て瑛太さんの想像ってことだから実際はどうだかわからないってことかも知れないけど、それならそれで自殺だと考えた瑛太の頭の中を疑っちゃうしね、そういうことまで考えて脚本書いたのかよ?って心底疑問。現場の状況を素人目で見た限りでも屋根の上からフェンスを越えて落下するためには相当な勢いでダイブしなきゃ落下地点まで届かなそうだなーとは思ったからそれを踏まえて自殺だと判断したってんならそれ語らせなくてどうするよとも思ったし。

5人のキャラもほんと微妙だしなぁ・・・。とりあえずキャラ作りがしっかりしてるのって、族上がりの母子家庭(?)でロマンチストな佐藤くんだけよね。まぁそのキャラは全力で“医大生”としてはねええええええええええええええええええええよ!!なんだけど。瑛太さんはなんだか“瑛太”って感じだし、斗真と遠藤くんのキャラは2人揃ってお調子者で区別つきにくいし、石原さんは優秀な法医学者を目指してるっぽいわりには准教授のいいつけを迷うことなく無視して瑛太さんに協力しちゃうとかさぁ・・・せめて石原さんは暴走しがちな男子のストッパーにさせるべきだと思ったわ。口では解剖室の外に出なければわからないことには興味がないデータが全てだと言いながら、黙って文献をあたりデータを集め足を使って調べる男子のフォローをし瑛太さんの想像の裏付けを取ってくれるとかさ、それを言うなら遠藤くんだって斗真のお調子者は鉄板キャラなわけだから、それとは逆の頭でっかちエリートキャラにするとかさ、もうちょいなんとかなっただろうになー。それに推理するのは瑛太さんだけで他の4人はただそれに従い振り回されるだけで、議論らしきものを全くしてなかったってのが群像劇としては致命的な物足りなさだったわ。もうなにからなにまで中途半端。そのくせ石原さんの「駅前のラブホのシャンプー(昭和)の匂い」とかわけわからんもの入れてくるとかね・・・これ絶対ラストでオチつけてくれるんだと思ったら放置とかなにそれ?行ったの行ってないのどっちなのよ!?それによってこの子に対するイメージが変わってくるじゃないの。ほんっとに中途半端なんだから。


まぁとにかくまだ初回なんで、今回の話は5人のゼミ生が知り合い法医学という学問の入り口に立ったエピソードということで受け止めるけどね。だって佐藤くんと遠藤くんが見たいんだもの><。
というわけでその2人ですけども。
遠藤くんは大河内くんやピロキドラマのキノコを経てようやく掴んだ大役だと思うので頑張ってほしいとは心の底から思いますが、眼鏡キャラにすべきだったよ。この役は絶対眼鏡だろう。これ一つとっても中途半端なドラマよねぇ・・・。
そして佐藤くんは・・・・・・・・・・・・うん、そらこんだけ出番あれば舞台よりもこっち取るよね!(にっこり)。
斗真は父親の病院で働く時のスタイルがなかなかいい斗真だったわ!あのカッコってなんていうの?看護師とかペーペーの医者がするようなカッコw。


あとね、一番気になったことは法医学教室の教授なんてインドアの代表みたいなものだと思うのだけどね、それにしちゃ時任色黒すぎ^^ってことでした。まぁいろいろあるよね、原さんw。