- 作者: 吉田修一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/05/22
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (19件) を見る
基本私は365日妄想しっぱなしだし、身体のなかは負のマグマでどくどくしてるし、だからミステリーは無理だとしてもドロドロ話なら書けるんじゃないか?なんて思ったりするんだけど、でもこのタイトルだけで打ちのめされるというか、私には才能ないなーって思わされます。
中盤でまずひとつ仕掛けが明らかになり、これがどういう物語なのかはっきりしたところでじゃあそこからどう展開させるのか!?と思ったら、そうかー、こういうオチかー。
目線としては主人公の桃子という女のものしかないし桃子の物語ではあるんだけど、タイトルはむしろ夫の真守のことなんじゃないかな。ていうかこいつ最悪だろ。・・・・・・と思ったけど、でも繰り返すけどこれは桃子の目線のみ、桃子というフィルターを通した真守の言動であり所業でしかないわけで、真守目線でみたらまた違う景色が見えてくるんだろうなぁとも思ったり。
ていうか「マモル」という名前で「真守」という字を書くのって私の知る限りでは某声優一人しかいないんで、作中で外見等をはっきり描写されていないこともあって年齢は全然違うものの読みながらどうしてもその人のイメージが被ってしまって、ああいう超絶人当りのいい男ならばこの女遍歴もまぁ納得である。と思えた。