『罠』@THEATRE 1010

もう公演は終了してますが、以下思いっきりネタバレあります!と一応お断りしておきます。





バカンスに訪れた先でちょっとした喧嘩をした次の日、新婚3ヶ月の妻が突然行方不明に。心配した夫は警察に捜査を依頼するが依然として行方はわからない。焦燥する夫の元を神父が訪ね、妻を連れてきたと言う。喜ぶ夫だったが、目の前に現われたのは妻とは全くの別人だった。夫は混乱し担当警部にこの女は妻ではないと激しく主張するが、そのことを証明できないどころか、その女が妻だという状況証拠ばかりが出てくる。そんな中、妻を知る自称・画家の男が偶然屋敷を訪れ、これで女が妻ではないと証明できると喜んだのも束の間、一瞬の隙をつかれ画家は女と共犯の神父によって殺されてしまう。警部が見つけてきた妻を知るはずの証人は女によって買収されていた。絶望する夫。そして資産家である妻の叔父が死亡したことで遺産相続の目処がついた女と神父は、夫を葬るべく最後の行動にでようとする。追い詰められ警部に縋る夫の口から飛び出した衝撃の真実とは!?

あらすじはこんな感じです。夫・ダニエルが和樹、妻・エリザベート白石美帆さん、警部が兼悟、神父が川岡くん、画家がハギー、証人の看護師が水町レイ子さん、それと役名はないのかな?(パンフ買ってないのでわからず)兼悟の部下の警官役の人と計7人による舞台で、セットチェンジは一切なく、ほぼ会話劇と言っていい感じでした。主演である和樹は出ずっぱり。
で、見ながらずーっと違和感というか・・・言い方悪いけどコントっぽい空気を感じていたわけですよ。どの役もとってつけたような造詣というか、和樹はちょっと置いておくとしても白石さんの妻はいかにもな悪女だし、川岡くんの神父もいかにもな胡散臭さだし、ハギーの画家もいかにもな道化なわけです。みんなそんなに下手なわけじゃないと思うんだけど、舞台上に漂うこの作り物感はなんなんだろう・・・翻訳劇だからかなぁ・・・ってずーっと思ってたのですが、まさかそれがほんとにコントだからだったとはwwwww。いや、コントではなく全員で和樹を罠にかけるための(和樹から妻を殺した言質をとるための)お芝居をしてた(全員が嘘をついていた)ってオチだったんだけど、そうだとわかった瞬間のやられた感といったらもう・・・・・・“あえて”そういう空気を醸し出してたのか!って瞠目だったわ。・・・・・・・・・“あえて”ということでいいんですよね?w。水町さんは最初から仕込み予定というか事情を話した上で協力を依頼したってことで納得できるとしても、本当に偶然現われただけのハギーにまで協力を依頼するどころか撃たれる演技をしてもらうとかどんだけ仕込めば気が済むんだってw(この場面って偶然乱入してきて証言することを了承したところまでは演技じゃないんだよね?そこから先、撃たれて証言できなくなるってのが仕込みなんだよね?・・・だとしたらいつそのことを依頼したんだろう。白石さんに取り込まれないよう和樹が全力ブロックしてたから、少なくとも和樹の目の届かないところで誰かと2人っきりで話をする機会はなかった気がするんだけど)。つーかお前そんな大事な役目を担ってんのに酒ねだりすぎだろうwww。そしてこの(和樹を罠にかける)シナリオの主役である白石さんは演技(劇中劇という意味の演技ね)上手すぎなw。てかノリノリすぎですw。「ホーッホッホッホ」とか悪い女のテンプレみたいな高笑いを何度もするんだけど、ネタバレされたあとでその笑いを思い出すとなんていうか・・・美帆たん乙!って気持ちになったわw。あと看護師さんもなw。白石さんは和樹の顎をガシっと掴んで脅しかけたり、看護師さんは和樹の頭思いっきり引っ叩いたりやりすぎだっつのw。白石さんはまぁ仕事ってか“主任捜査官”たるものこれぐらいの演技ができなくてどうします?(セバスちゃん風)ってなもんだろうけど、看護師さんは一般人なわけじゃない?それにしちゃ迫真の銭ゲバっぷりだったわーw。和樹以外の登場人物たちが屋敷の裏手辺りで「お前のさっきの演技、なかなかよかったぜ!」「そういう警部こそなかなかの台詞回しじゃないっすかー」「つーかあいつなかなか尻尾出さねーなぁー」「次はこういう手で行くか」とかコソコソ作戦会議してたのかと思うと面白いわよねw。

で、みんなのターゲット☆和樹は徐々に育ちはあんまり良くなくて資産家の妻をゲットしたいわゆる逆玉的な男なんだなーってのがわかるものの、最初のうちは普通に富裕層の人間っぽい描写になってるのね。でもどうしてもチンピラ臭が見えるわけですよw。だから最初のうちは“和樹にこの役は無理だったんじゃ・・・”って思ったわけです。・・・でも違ったんだね!チンピラ臭もまた役作りの一環だったんだね!!もーすっかり罠に嵌められちゃったわよー(笑)。

和樹を筆頭に、男性キャストはみんな背が高くて非常に見栄えがいい舞台でした。あちこちのブログで写メ見た時は「か、和樹のこの衣装と髪型は・・・・・・・・・」と慄いたんだけど、実際に見た和樹は普通にカッコよかったですw。最初はネクタイしてたような気がするしシャツのボタンもちゃんと留めて髪も綺麗な7:3調に撫で付けられてるんだけど、状況が悪化し追い詰められていくにしたがってだんだんと着衣が乱れていくのね。胸元はボタンを2つほど外し、髪も掻き毟ったりしてボサボサになっていくわけです。その様がとてもイイw。
兼悟は“警部役”のためにちょっとウエイトアップしたのかなぁ?三つ揃いのスーツにコート+ソフト帽に口ひげ蓄えてて、なかなか素敵なダンディっぷり。兼悟は結構最初の方に「煙草、いいですか?」「あなたも吸いますか?」と言って和樹とともに実際に煙草を吸う場面があるのですが、そこがめためたカッコよかった!口の端の方で煙草くわえるのがすごいセクシーだったわー。わたし煙草嫌いなんだけど、イイ男が吸うのは許せるわw。


帰りのエレベーターで一緒になったお嬢さんたちが
「なんか全然わかんなかったんだけどー」
「結局和樹はどうなったの?」
「マジキチ?」
「マジキチマジキチ!」
「和樹マジキチwww」
という会話をしてたのが面白かったですw。