歌野 晶午『それは令和のことでした、』


人物や事象について“思い込んでいる(思い込まされている)”ことを最後にひっくり返す作品集で、1作1作は歌野さん比としては小粒だし、こちらも「そうくる」「どうくる?」と思って読むのでそこまでの驚きはないんだけど、それでもこれだけ数を揃えられるとやっぱり歌野さんは凄いなとなるな。
そして内容がちゃんと「現代」にアップデートされている。ゆえのこのタイトルということか。
最後の「、」の意味はわからんけど(さらに続くということか?)。

それで言うと『有情無情』はまさに「現代」がみっちみちに詰まっていて、そこに歌野さんらしい後味の悪さが加わるもんでまあ最悪の読後感(ほめてます)。

一番好きなのは『死にゆく母にできること』かな。この物語だけは行先が見えなかったんで。