だからわたし野田洋次郎のモノローグ(の声音)に弱いんだって!。
ってところから始まって、圭のヒーローだというかつて一世を風靡した天才超能力少年が遺した画像データの現物を探すロードムービーのような時間があって、泥だらけの二人が辿りついた真実、さらにトドメの「母親への想い」。今回もよかったわー。
矢島さんが父親にキャスティングされている時点で「行方不明の母親」についてはあらかた想像がつくわけで、実際はぐれ死含め想像通りだったけど(このドラマの世界観からして明確な殺意を持ってのことではないだろうと)、そこで圭と祐太郎にとっての『依頼人』は日暮であり、インチキ呼ばわりされながらも日暮が守りたかったものは、守り続けたものはなんなのか、という落としどころにもっていく、ここがすごく本多孝好感。
加えてそれだけでは依頼人・日暮の人生とはなんだったのか・・・という思いが残るわけで、画像データから母親の居場所を突きとめた“実績”を持つ二人が依頼人の最期の瞬間、その心に触れる・・・という、この切なさと苦さがすこぶる本多孝好味。
日暮さんのことは「俺達が覚えていればいい。そうすれば二度目の死は訪れない」という圭のキザな台詞、これは小説版のテーマに直接通じるものなので、二人を見送る日暮さんが頭を下げるのは蛇足だなと思ったけれど(実の母親に疎まれ拒まれ捨てられたというのに死の瞬間までその母親のことを思うことしかできなかった日暮さんの人生はやっぱり満たされたものではなかったと思うから、これで救われたみたいな印象になっちゃうのはどうなんだろうなーと)、でもこのカットはドラマならではってことで(小説だとこの視点は描けないと思うので)、超能力でなく幽霊話だったんかい!!ってなツッコミ含めてまぁアリかな。
本多さんの脚本でなくとも本多作品らしさを感じさせてくれるのはファンとしてとても嬉しいし、祐太郎よりも圭のほうがぐんぐんと人間味を増している(それが見えてきている)一方で祐太郎のソレはむしろ不透明になっているように思える・・・というのは面白く、ドラマとしてこれからどうなっていくのか興味深い。