『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜』第7話

ミハンメンバーそれぞれが田村さんの死の落としどころを探す回でしたが、その中心に犯罪(犯罪者)に対し強い感情を抱いている東堂や井沢や小田切や山内ではなくそういうものを持たない南を据えたのは良かった。井沢たちは抱えているもの故に田村さんのしたことを責められないところがあるんだろうけど、それはやっぱり特殊であって、勝手に殺して勝手に死んだと、何も言ってくれなかったと怒る南が普通なんだよねって、もしかしたら一番の異常者なのではないかと思っていた南だけど、真っ当な人間性の持ち主なんだということがわかったし(南にチョコを差し入れたマギーの部下の美人さんはそれをわかってるから好意を抱いているのだろう)。それは田村さんの死が齎した成果だもん。南が本当の意味でミハンの一員になったことで、田村さんの死が無意味ではなくなったってことだもん。
田村さんはミハンシステムの継続を望んだけど、そのミハンシステムは相変わらず使えなくねーか?ってのはそれとして、今回の事件で注目すべきは虐待児童の「ヒーロー」が『仮面ライダーウィザード』であったこと。
ウィザードって現行のライダーじゃないのよ。2012年の秋から始まった番組だから、現在放送中の作品から数えて6作前、6年前の作品なのよ。で、これが意味するところは他にも選択肢がある中でウィザードが一番好き=ウィザードがヒーローだということではなく、ウィザード以降仮面ライダーを見せてもらえなかった、6年前から玩具的なものを買ってもらえていないのだと、そういうことだと思うのよね。この子にとってウィザードは親からもらった最後の愛情とイコールなのだと。さらに言うと主人公の決め台詞が「俺が最後の希望だ」であることだし(数年前の仮面ライダーのなかからウィザードを選んだのはこの台詞が理由なのかも)、この点について、ちょっとでいいから南あたりに触れて欲しかったなーと。仮面ライダーの知識がない人からしたらこの子にとって南は特撮ヒーローと同じ存在になれたんだなってだけで終わっちゃうわけで、それで十分なのかもしれないけど、6年間という時間の重みがわかるのとわからないのとじゃこの子にとって南が「新しいヒーロー」になったことの凄さの理解度が全然違ってくるもん。


田村さんの死でもって「ミハンの話」に一区切りつけたところで次回からはいよいよ桜木の事件になるのかなと思ったら、井沢の家族が殺された話と繋がってしまうようで、この時点ではやや強引さを感じるもののこの繋がりがどう転ぶか楽しみです。って予告に北大路欣也がいたけど、過去シリーズの登場人物だという記憶はあるけど上司だっけ?監察医だっけ?。