『カルテット』第9話

このドラマは感想を書くようなドラマじゃないなと思いながらも見たもの受け止めたもの感じたものを言葉という形で吐き出さなければ破裂してしまう!!という思いに駆られて毎回毎回ダラダラと書き連ねてきましたが、今回は書く必要がない。言葉が見つからないし、最終回まで吐き出さず、なんなら息すら止めた状態で見たものを見たまんま抱え続けていたい。
6千万貰えてたらの一言で大事な家族を失った家森さんが今はみんなと出会ったから人生やり直しボタンを押さないと思えるようになって、そう言える相手ができてよかった。
家森さんが誰かのために泣けるひとでよかった。
これまで数々の美味しそうなごはんを見せられてきたけれど、すずめちゃんが作るシンプルな和食がこれまでで一番美味しそうで、まだ夜が明ける前に朝ごはん(だよね?)を黙々と食べる三人を見ながら『明けない夜はない』という言葉が浮かんだ。
泣きながらご飯を食べたことがあるひとは生きていけるんだって。マキさんがそう言ってた。
生きていけるよ家森さん!!。
マキさん不在の間、ちゃんとしてないすずめちゃんと家森さんと、ちゃんとしていないひとを甘やかしたい別府くんはどうやってマキさんを待つのだろうか。
不思議とそこに不安はない。あれだけ不穏で不安を感じてきたというのに、今はむしろ大丈夫な感じしかしません。
宮藤官九郎大倉孝二のガッツリぶつかりあう芝居を見られたこともよかったな。
幹生の真紀ちゃんに対する後悔と同情と、それに対する刑事の冷静で冷酷な視点。カルテットの物語はぬくぬくと暖かい暖炉のようだけど、時折ひゅっと冷たい風が吹く。こういうところがわたしは好きだ。
ついに最終回。四人と一緒に小さなおにぎりを食べるリスがみたいよ。