『カルテット』第7話

前回から今回にかけて、すずめちゃんのしていたことがマキさんバレして、強盗に窃盗に監禁に殺人未遂、そして離婚とこれだけすごいことがあったというのに、「巻き戻ってる」といつものように軽妙な会話を交わしながら一緒に食事をするカルテットにホッとしつつもほんのちょっと“なんなのこのひとたち・・・”と思う。家森さんの青いふぐりの猿捜索のことも、別府くん閉じ込められ事件のことも、四人の食卓で語られることはない。四人が語るのは「マキさんを今後どう呼ぶか」。それは四人にとって大事で重要なことで、それ以外のことは何事もなかったことにするということなのだろうか。と、この2話がなかったかのように、時間が巻き戻ったかのように食卓を囲む四人を見て思いかけたのだけど、でも今この空間には巻鏡子という異物が存在しているんだよね。現時点では巻鏡子が腰を痛めたという理由で別荘に滞在する必要性をわたしは見つけることができないし、次回あっさり「いろいろごめんなさい」してほんとうにいるのならば彼氏のところへか、いずこへ帰ってしまっておしまい、となるかもしれないけど、とりあえずこの点には注目したい。
それはそうと、これまでと変わらず「早乙女感」がどうとか楽しげに語るマキさんだけど(マキさんマジで早乙女感ある!!)(別府くんが学祭でマキさんに一目惚れした時マキさんはまだ独身だったはずだけど、別府くんはマキさんの旧姓を知らなかったのか(当時の別府くんにとってマキさんの「名前」を知ることよりもひとりで肉蕎麦食べてるマキさんを見ることや体験用マッサージチェアでうっとりするマキさんを見ることのほうが大事だった(だから名前を調べようとはしなかった)と言われたら、別府くんのヤバさを改めて感じるとともにそうなんだと納得できてしまいそう)、知ってるけど黙っていたのか、どっちだろう)、「こんなに面白くないものを面白く言うなんて面白い人だなーって、それがよくわからなくて楽しかった」幹生の好きな本を暖炉に躊躇なく放り込んだ顔、この顔は凄かったわぁ・・・・・・。
人を殺しちゃったというまさかまさかの状況下で再会し、一緒に逃げると即断し、なんなら適度な距離を保つからとまで譲歩したのに、(自分のことを思ってだとしても)夫は自分とともに逃げることを拒否し、だから自宅に戻って一緒に食事をしたものの結局最後までお互い「本音」を言わず、耳触りのいい言葉だけを口にして、最後の時間を過ごして、そして離婚のための儀式を行い、警察前でハグではなく握手をしたうえでのこの顔。
前回と今回、巻夫婦の物語のテーマは「巻き戻し」だったと思うのだけど、脱ぎ捨てられた靴下をそのままにし続けたマキさんは・・・巻き戻したかったのかなぁ?。やり直したいのではなく巻き戻したかったのかなぁ?。
幹生に対し一緒に逃げようと言うマキさんは「こんなつまんない人間の人生なんていらない」ってなことを言ったけど、好きだった男の、家族になりたいと思った男が面白いと思うものを燃やすことで、マキさんの中にあるそんな想いも一緒に燃えて、すずめちゃん(と別府くんと、あとまぁ家森さん)と奏でる音楽で満たされ、温もりに変わるといいのにな(でもおでんで白ワインはいいとしても赤ワインを飲もうとする感性はどうにかすべきだと思うの・・・。これまで誰もそういうことを忠告してくれなかったのかもしれないけど・・・)。
有朱にマキさんに対してしてたことをバラされあんな絶望の表情を残して別荘を飛び出したすずめちゃんがマキさんに掴んだ手を解かれどうなってしまうのかと怖かったけど、戻ってきたマキさんと嬉しそうに楽しそうに合奏できてよかった。結果オーライじゃないけど、有朱の関与があったからと言えなくもないわけで、これに関してだけは有朱の存在を認めてやらんこともない。
つーかはずみとはいえ2階の高さから突き落とされ死んだと思われマキさんとその知り合いと思しき人間に捨てられそうになったというのに、自分はずっと猿探してたとアリバイの強要をするのはいいとしても家森さんと車内で音楽かけてノリノリとか有朱の神経ずぶとすぎて笑ったw。
あとたぶんこの女、これまでもこんな感じでピンチになることってなくはなかったと思うのだけど、その都度まず先に「ごめんなさい」ってあやまることで乗り切ってきたんじゃないかな。先制パンチじゃないけど先制ごめんなさいすることで肝心の“悪事”を有耶無耶にしたまま謝ったという事実だけを成立させることで乗り切ってきたんじゃないかなとか思った。
で、有朱はこれで退場かと思ったのにこいつもまたなにもなかった顔してノクターンで働き続けるんかい!!。でも視聴者的にはここで有朱がノクターンを辞めても(姿を消しても)あんなことがあったらそら逃げるよな・・・で納得だけど家森さんは大騒ぎするだろうし、そしたらなんかめんどくさそうだからwまぁいいか。
そして青いふぐりの猿を捕まえるには小さいのではないか?と思ってたケージがリュージュ?のように滑り落ちた家森さんの頭に直撃するという使われかたをするとはまったくもって予想できませんでした(笑)。