朱川 湊人『私の幽霊 ニーチェ女史の常識外事件簿』

私の幽霊 ニーチェ女史の常識外事件簿

私の幽霊 ニーチェ女史の常識外事件簿

久々に朱川さんを読んだーーーーーーーーーーーーーー!って感じ。
現実の厳しさが「ホラー」と「ファンタジー」で包まれた、まさに朱川さんの世界観で、これこれ!私が好きな朱川さんはこれだよー!と小躍りしながら読みました。
ていうかこれ、タイトル作から始まって、四話めまではこれ単独の連作短編集だと思ってたんだけど、五、六話には「マガチ」が出てくるんで『冥の水底』の続編というか、“街で生きるマガチ”の物語でもあるんですね。
最終話の「紫陽花獣」が素晴らしかった。その情景と、マガチであるアコの心情に胸が押しつぶされそうになりました。その結果友人の娘が劇的に変わる・・・なんてことはなく、でも紫陽花獣の存在を知ったことは人として生きるための糧になるだろうし、それは主人公もそうであると、その後味までまさに私の好きな朱川さんで満足です!。