不死ではないものの人間よりもはるかに長い、永遠といっていいほどの寿命を持つ生命体が昭和時代の下町に現れたことで、町の雰囲気はだんだんと不穏なものになっていく・・・ってな話でして、読む前は吸血鬼的な、妖怪的な、そんなような存在を想像していたわけですが、なんと●●人!!(笑)。朱川さんお得意の時代背景ではありますが、現代ではなく昭和が舞台であることには文明的な理由に加え近所との付き合い方や住んでる町に対し愛情を抱いていることなどなど人々がまだ“純粋”であるからといった理由もあったりするんだろうなぁなんて思いながら読み進めていたんですが、「無限のビイ」の正体が明らかになり、さらにビイの目的、ビイの背景が語られた瞬間、一気に低俗化し、なんだこの馬鹿小説(笑)という気分に。種族におけるタブーと言われたらそうなんですかーと理解するしかないけど、なんかものすごく生々しいです(笑)。
で、こういうの決して嫌いじゃないから楽しんで読めはしたけど、馬鹿小説(←愛を込めて)であるならばちょっと話が長すぎるかなぁという気はした。痛快さとか爽快さとかそういうのもないし。