『怪盗 山猫』最終話

人工知能云々はいいとして、わたしが最終回まで見続けていた関本という男は一体何者だったんだ?。公安に“関本”という警察官は存在しているものの、それは犬井たちが関本として見知っていた男とは全然違う別の男だった・・・ということのようですが、スパイとして養成されるべく異国に送られるショタ山猫に武士道くれたときはどんな立場だったんだ?。あの時点で既に関本として活動していたのか、それともその時点では別の名前を名乗っていたが山猫をダブルスパイとして運用するために関本になったのか。カメレオンが“勝村”として大学に通っていた理由も不明だし、結局逃げるならすべてのことをルポにしてさくらに渡した理由もわかんないし、こんなにスッキリしない最終回になるとはなぁ・・・。
まぁでも、関本の正体や目的がなんであれ、対山猫に限って言えば、山猫にユウキテンメイ=自分を斬らせることで復讐を遂げさせてやりたかったんじゃないかな。解放してやりたかったというか。
関本って外連味のあるキャラクターだけど、この場面はユウキテンメイのコスプレしてることを差し引いてもそれが過剰だったように感じたんだよね。舞台演技っぽいというか。佐々木蔵之介という俳優はそこいらへん比較的器用に演じられる人だとわたしは思っているので、ここはわざと“そういう演技”をしてたんじゃないかなと。
とか一応の解釈をしてみましたが、関本おまえナニモンだよ?とか関係なく、この場面の蔵之介はなかなかに暑苦しくてよかったです。おかげでナリ様カメレオンの存在が霞んじゃったけどねー。
どういう最終回だったらよかったのかなぁ・・・?。ナリ様カメレオンとガチのラストバトルして、山猫が勝ってカメレオンは死んで(山猫のポリシーは不殺だから捕まってもいいけど、希望としては死んでほしい)、山猫と関本が二人でユウキテンメイを完全にぶっ壊したまではいいんだけど、人工知能が破壊されたら証拠隠滅のために屋敷が爆破する仕組みになっていたので山猫と関本は生死不明のまま数日が経過。真央と里佳子が諦めかけたそのとき、いつものように憎まれ口叩きあいながら山猫と関本が戻ってくる(でもあちこち傷だらけでズタボロ)・・・とかそんな陳腐な感じでよかったのにと、こんなモヤモヤする最終回を観たあとでは思ってしまう。
山猫にとって関本からもらった武士道だけが支えであったわけで、なんだかんだ言っても関本のことだけは信じてたと思うんだよね。でもその関本に裏切られた。裏切られてた。最後の最後に山猫に最大の試練であり苦しみを与えるってな展開は、実はそう悪くはないとは思う。でもそこで終わっちゃだめだよなーと。これまで自分の「核」をもってやってきたことが全部結果的にユウキテンメイの利益になっていたなんて、そんな鬱展開こそいつものようにひっくり返して痛快に終わってほしかった。
重傷を負った勝村は病院から逃走、死んだように見えてた関本は山猫がほんの一瞬目を離した隙に姿が消え、そして山猫は行方不明で、最後に真央が待つストレイキャットに入ってきた人物は・・・ってな終わりなのでSPドラマか映画化への余地を残したってなことかなーとか思わなくはないんだけど、でもこの後味はないわ。続編に対する含み、続編への引きを持たせるのは結構だけど、それはドラマとして終わらせたそのうえでのことだろう。
なんだかんだここまで楽しんでただけに、この最終回はちょっとガッカリすぎて悲しくなってしまう。
でもまぁかめなしくんが蔵之介ともナリ様とも演技の相性が良くて、もっと別の設定、別の作品でも共演をみてみたいと思えたのは大きな収穫です。
あとあと最後にもう一回書いておくけど有起哉と蔵之介の絡みは藤堂と関本との関係性も相まって見応えあったよな!!。このお二人は7月に舞台でガッツリ共演なさるんで、最終回のモヤモヤを舞台で晴らしてもらおうじゃニャイか!!(山猫全く関係ないけどw)。